「組織罰」は、鉄道・航空事故などの際、運行する企業など法人自体に刑事責任を負わせる法律。イギリスの『法人故殺法(ほうじんこさつほう)』をはじめ、フランスなどでも法律が整備されている。 福知山線脱線事故をめぐっては、JR西日本の歴代4人の社長がATS=自動列車停止装置の整備について、企業の幹部として指示を怠ったなどとして、業務上過失致死傷罪で起訴されたが、「事故を予測できなかった」などとして、いずれも無罪判決が確定した。 現在の日本では、こうした大事故での責任は民事訴訟でしか問うことができない。 刑法の「業務上過失致死傷罪」は個人が対象で、法人には適用されない。事故で長女(事故当時23歳)を亡くした大森重美さん(73・神戸市北区)は「組織罰を実現する会」の代表を務めている。これまでにも署名を集め、法務省に提出し、要望もしたが、議論は尽くされず、世間にも浸透していないもどかしさを感じるという。