世界保健機関(WHO)が3月11日、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」をパンデミック(世界的流行)と宣言した。それでも各国、各地方の役人が疫病対策を立てることに変わりはない。 そんないまこそ教訓にすべき歴史がある──と米国近現代史の学者スティーブン・ミームは言う。それは、1918年のインフルエンザ・パンデミックの際、史上まれに見る「人災」が起こった米国ペンシルベニア州フィラデルフィア市の事例だ。 東京五輪の開催をめぐって揺れている日本にとっても他人事ではない、その教訓とは。 新型コロナウイルスが米国でも広まるにつれ、適切な対処法の判断は最終的に、地方の衛生当局の肩にかかってくる。疾病対策センター(CDC)はじめ連邦諸機関の役割も重大だが、“最前線”に立つことになるのは州・地方自治体の役人だ。 彼らは非常に難しい決断を迫られる。スポーツイベントやその他の大会の開催を認めるかどうかを
![「人災」のレシピ──1918年、フィラデルフィア・インフルの教訓 | パンデミック対策よりオリンピック開催優先でもいいのか?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a2cf47b019944e428524fb2af420238405acaf50/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2020%2F03%2F13214154%2FGettyImages-2642660-e1584071145591-1600x900.jpg)