「システムの障害対応をしている最中に関係者全員が自宅待機を命じられたらどうしますか」 知り合いのベテラン技術者からこんな書き出しのメールが送られてきた。新型コロナウイルスの感染拡⼤を受け、情報システムを担当する現場では同様の議論が避けられなくなっているはずだ。 情報システムにトラブルが起き、止まってしまったり、間違った結果を出したりしたときには、関係者がデータセンターなど1カ所に集まり、情報を集め、議論をしながら原因を見つけ、対策を打っていく。一連の仕事を自宅や病院など別々の場所にいながらこなしていけるだろうか。 彼はメールの中で次のリスクを指摘した。「障害対応をしていたメンバーから感染者が出た場合、障害対応の関係者全員が濃厚接触者とみなされてごっそり自宅待機、ということになりかねません」。 関係者が1カ所に集まれない、これは今回に限らず、パンデミックや災害が起きたときにあり得ることである