ウクライナの前線から数百キロ離れたロシアの空軍基地で5日以降に相次いだ爆発は、ウクライナ軍による攻撃だとの見方が強まっている。同国軍の攻撃であれば、後ろ盾である米欧の意向などから控えてきた露内陸部への攻撃にウクライナが着手した形で、戦局は新たな段階を迎えたことになる。ウクライナには、露軍のミサイル攻撃の脅威を低下させる思惑に加え、国内が攻撃される恐怖をロシアに与えて侵略の断念を促す狙いがある可能性がある。 爆発は5日、露西部リャザニ州のジャギレボ空軍基地と南西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地で発生。6日にも西部クルスク州の空港や西部ブリャンスク州の燃料貯蔵施設がドローン攻撃を受けたとされる。 ウクライナは露空軍基地への攻撃を公式に認めていない。ただ、米シンクタンク「戦争研究所」は5日、「ウクライナは露軍のミサイル攻撃を妨害しつつ、露後部基地への自身の攻撃能力を証明しようとした可能性が高い」