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アナーキズムの検索結果1 - 40 件 / 106件

  • 2023年に読んで面白かった漫画 59選 - #AQM

    ★★★    面白かった ★★★★   すごい好き ★★★★★  愛してる ★★★★★★ 人生のお供 この記事では★5以上を並べます。 同じ★数同士の順番は、単純に読んで記事にした日付の順なので他意はないです。 読んで面白くなかった漫画は、わざわざDISるのもなんなので記事にしてないです。 その他、世の中には自分が読んでない漫画の方が圧倒的に多いです。 前回はこちら。 aqm.hatenablog.jp 1年分まとめて、寸評は巻ごとじゃなくて作品ごとに。 諸々コミでこんぐらい。長くてすいません。 あとで読んでください。 投票や合議で広く意見を募りバランスを取る、多くの漫画賞などと違い、ある一人の人間が読んだ漫画が面白かった、というだけの話です。 多かれ少なかれ、 「ブログ主のアンテナが低かったり好みが偏ってたりのせいで、バランスが悪いラインナップだ」 と思われることでしょう。 ご自身の持つ

      2023年に読んで面白かった漫画 59選 - #AQM
    • 風俗レポがバレて政治団体追放された話|栄太郎|note

      風俗レポシリーズ、完結。 ⚠ 注意事項 ① この記事は全編無料で読むことが出来ます。もし気が向いたらご購入いただけると幸いです。 ②この記事はノンフィクションです。実在の団体や企業とは関係あります。特に政治団体や特定の個人などに深く関係します。 ③ 三か月程度前のエピソードなので会話の内容が時系列がごっちゃになっているかもしれません。ご了承ください。極力正確な描写を心掛けました。 警告文くれぐれも真剣なお気持ちで読むことがないようにお願いいたします。 もう“配慮”が足りないとか言われるのはコリゴリなのでここでこれでもかと警告しておきます。引き返すなら今ですよ! 特に関係していると心当たりのある方が読まれることは、本当に推奨しておりません。気分を害される恐れがあります。 では、警告はこれぐらいにして(どうせ怒る連中は警告など読まない)本編行きましょう! 前作で最後に次回予告みたいに言ってまし

        風俗レポがバレて政治団体追放された話|栄太郎|note
      • 映画『ジョーカー』を絶賛してはいけない理由【評価/感想/レビュー/ネタバレ】  - ゲーマー日日新聞

        著/J1N1(@J1N1_R1) 以下、作品に対するネタバレが含まれているので気をつけてください。 『ジョーカー』を観た。素晴らしい映画だ。しかしだからこそ、この作品を決して絶賛してはいけない。この作品をただ「狂気に満ちている」等といった凡百の表現で絶賛し、そこからバズを起こすのは本当に危険だと感じたからだ。 現に、映画館が「子供に『ジョーカー』をみせないでください」と異例の警告をしたり、米軍が動くまでの事態となっている。紛れもなく2019年最大の問題作だろう。 私はこれまで本紙で無数の作品を評価してきた。それはあくまで、「この作品をより多くの人に知ってほしい」という共有への欲望からだ。 だが、今回は違う。本批評において、私は『ジョーカー』がいかに危険な作品か「警告」するために、本作を絶賛しようと思う。 人が一度関心を持ったものを遠ざけることは絶対に不可能だ。だから流行に身を任せるにせよ、

          映画『ジョーカー』を絶賛してはいけない理由【評価/感想/レビュー/ネタバレ】  - ゲーマー日日新聞
        • 「ステージでの泥酔」はなぜ認められないか—高田渡を通じて考える和田唱の問題提起 | 批評.COM

          批評.COM Welcome to Hi-hyou.com  時事批評・音楽批評などを掲載するサイトです。2015年4月18日新装開店。Operated by SHINOHARA Akira 和田唱の勇気ある問題提起 TRICERATOPSの和田唱が、フェスの共演者が泥酔状態でステージに登場したこと、そしてそのことを許すようなロック界の風潮を批判するTweetを発信して話題になった。和田は名指ししたわけではなかったが、その後のやり取りのなかで奥田民生が謝罪したことが報道され、「犯人」(のひとり)が奥田民生であることも判明した。和田は奥田の謝罪を受けて一連のTweetを削除したという。 和田の問題提起は実に勇気ある行いだと思う。よほど腹に据えかねたことがあったのだろうが、「アーティストと酒」の関係は、やはりしっかり考えておくべきことだと思う。 「いいじゃねえか、酔っ払ってステージに出ること自

            「ステージでの泥酔」はなぜ認められないか—高田渡を通じて考える和田唱の問題提起 | 批評.COM
          • 永久保存版 FTX事件の記録

            FTX事件についての情報を整理します。 FTX事件とは 世界有数の暗号通貨取引所FTXやその関連企業が突如として経営破綻した事件です。 事件の全容はいまだ不明瞭です。 この記事について この記事では情報を整理して、現状わかっている事件に至るまでの過程をオープンな記事としてまとめたいと思います。 現時点で大量の情報が出ていますが、将来経緯を追うことが難しくなることも予想されます。 また現状に混乱されている方も多いはずです。 まずは、交通整理をするためにも、一次ソースを中心にまとめて残しておこうと思います。 個人的にこの衝撃的事件を克明に記録しておきたいという思いもあります。 記事をご覧になって何か補足があればご連絡よろしくお願いします。 将来の資料とするため、ツイートは基本的に埋め込みとスクリーンショットの両方を記載しています。 主な登場人物 SBF 本名 Sam Bankman-Fried

              永久保存版 FTX事件の記録
            • ドブネズミは汚いからこそ美しい、 パンクは最低だからこそ最高 - あざなえるなわのごとし

              note.com 私が意外に思ったのは、「パンクをこき下ろすとは何事か」とか「パンクは最低ではない」といった意見も少なからず含まれていたという点である。彼らは自分たちのことを健康的で道徳的な存在なのだと口々に主張していた。「がんばって働いてる」「税金払ってる」「福祉なんて求めてない」と彼らは言っていた。それが私の目には奇妙に映った。繰り返すが、パンクとは最低なものである。そして、最低であるからこそ輝くカルチャーなのだと私は思っている。パンクがパンクである条件とは、「自分が最低であることを手放さない」ことなのだと私は思っていた。パンクはアウトサイダーの味方であり、自発的なアウトサイダーである。パンクは多数派が顔をしかめるような異質な存在であり続けることで、多数派の価値観に疑問を投げかけ、相対化し、破壊し、新たな世界の可能性を提示し続けるものである。 音楽の記事が続きますが、今日はパンクですか

                ドブネズミは汚いからこそ美しい、 パンクは最低だからこそ最高 - あざなえるなわのごとし
              • ティム・バーナーズ=リーのオープンレターを起点に改めて考えるインターネットの統治

                ティム・バーナーズ=リーのオープンレターを起点に改めて考えるインターネットの統治 2024.03.26 Updated by yomoyomo on March 26, 2024, 15:00 pm JST 1989年3月12日は、ティム・バーナーズ=リーが、当時彼が勤務していた欧州原子核研究機構でハイパーテキストを利用する情報管理システムの提案を行った日であり、「ワールド・ワイド・ウェブの誕生日」とされます。ティム・バーナーズ=リーは、この3月12日に2017年、2018年、2019年と、ウェブの現状を憂い、ユーザーに行動を促す檄文を公開してきました。 そして、今年2024年の3月12日、前回から5年ぶりとなる「ウェブの35回目の誕生日を祝う:オープンレター」が公開されました。これまでと同様、なりゆきで日本語訳を公開した手前、まずこれを取り上げたいと思います。 ティム・バーナーズ=リーは

                  ティム・バーナーズ=リーのオープンレターを起点に改めて考えるインターネットの統治
                • 児童型ラブドールに関する議論に関して - Zephyrosianusの日記

                  ラブドールに関する議論はあまり追っておらずそれ自体はあまり語れることはありませんが、どうも議論を見てるとボタンがかけちがってる感もあります。 b.hatena.ne.jp で、上記エントリーを見て気づきました。 一体誰が何を議論して、なにが対立しているか?は、とても重要なので、「規制派」などと、法的規制を求めてない人も含めるのはいささか問題があると感じますが、今回の件は「明白なルール違反の問題行為」がありそれを問題視する人とそれを問題視しない人という区別ができそうですね。 この件を問題視する人が必ずしも明白なルール違反だとは主張していませんが、問題視しない人のブログなどを見ると、私の見た範囲ではその点に言及さえされていません。 Twitterは明白に準児童ポルノを含む児童ポルノに関連する様々な行為を禁止しています。*1 help.twitter.com id:the_sun_also_ri

                    児童型ラブドールに関する議論に関して - Zephyrosianusの日記
                  • さいきょうのCode of Conductを求めて - ものがたり

                    こんど新しく勉強会を立ち上げるのだけど、2020年に新規コミュニティを立ち上げるのは、自分が今までやってきたような勉強会(Xamarin.Forms読書会とかmono meetingとか)を作ってきたようなのとはだいぶ状況が違うようだ。特に最近よく話題になるのはCommunity Code of Conduct(CCoC, CoC)に対する何かしらの意思決定を求められる、というところだろう。 今回いろいろ考えてCoCをまとめることにしたのだけど、一般的なCoCに比べてだいぶ大きな改善を施したので、それに至るまでにいろいろ検討したことを参考までにまとめておきたい。 目次 完成品 CoCの本質は何か CoCを策定することに対する批判的議論とそれらへの対応 他人の行為を「禁止」できる「コミュニティ」とは一体何者なのか? 参加者が合意していないものを強制できるのか? CoCに合意できない一部のメン

                      さいきょうのCode of Conductを求めて - ものがたり
                    • 「マインクラフト内にロシア当局のビルを作って爆破したい」という冗談を言った14歳の少年に懲役9年の求刑

                      ロシアの14歳の少年ら3人が、テロの準備をしていた容疑で逮捕され、裁判で少年1人に懲役9年、ほか2人に懲役6年6カ月と6年5カ月の求刑が行われました。少年らは携帯電話で「マインクラフト内でロシア連邦保安庁(FSB)のビルを作って爆破したい」という冗談を言い合っていたことがわかっています。 Беспощадность Прокуратура затребовала для канских подростков по 9 и 6,5 года зоны https://novayagazeta.ru/articles/2022/02/04/besposhchadnost Задумавшим взрыв здания ФСБ в Minecraft школьникам запросили реальные сроки: Следствие и суд: Силовые структуры:

                        「マインクラフト内にロシア当局のビルを作って爆破したい」という冗談を言った14歳の少年に懲役9年の求刑
                      • 「ていねいな暮らし」のなにが悪い? - 道徳的動物日記

                        www.webchikuma.jp 大塚英志による上記の記事は、はてブでも先日から人気記事となっておりおおむね好意的に受け止められているようだが、わたしは読んでいてモヤモヤ……というよりも「うんざり」という感情を抱いてしまった。 なので、わたしが共感するブコメも次のようなものである。 「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち||大塚 英志|webちくま(1/4) クソみたいな状況を少しでも楽しいものにしようと工夫してる人たちを「体制に加担」とか「問題の隠蔽」とかいう語彙でしか語れない左翼の言葉こそ問題がある 2020/05/23 08:25 b.hatena.ne.jp 「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち||大塚 英志|webちくま(1/4) 戦時下が起源であり、一斉に右向け右させる権力がけしからんことはよくわかったが、今日の感染防止対策と戦時下の大政翼賛体制

                          「ていねいな暮らし」のなにが悪い? - 道徳的動物日記
                        • 「危険すぎる」と話題の文章生成AI「GPT-2」の最新版がリリース、実際に使えるデモサイトも登場

                          by Suzy Hazelwood 人工知能を研究する非営利組織のOpenAIが開発したAIによる文章生成ツール「GPT-2」は、高精度のテキストを簡単に自動生成できるといわれており、開発陣が「あまりにも危険過ぎる」と危惧するあまり論文公開が延期される事態にまで発展しました。そんなGPT-2は2019年2月、5月、8月と段階的にパラメーターを増やしたモデルが公開されてきましたが、ついに15億個ものパラメーターを持つ最新版がリリースされました。 GPT-2: 1.5B Release https://openai.com/blog/gpt-2-1-5b-release/ GPT_2_Report.pdf (PDFファイル)https://d4mucfpksywv.cloudfront.net/papers/GPT_2_Report.pdf OpenAIはGPT-2が非常に高度な文章を生成する

                            「危険すぎる」と話題の文章生成AI「GPT-2」の最新版がリリース、実際に使えるデモサイトも登場
                          • 【独占インタビュー】スティーブン・ピンカーが語った「マルクス主義とアナーキズムの何が間違っているのか」(スティーブン・ピンカー) @gendai_biz

                            『21世紀の啓蒙』『暴力の人類史』などの著作で知られ、さきごろ新著『人はどこまで合理的か』が刊行されたハーバード大学心理学教授スティーブン・ピンカー博士に、批評家ベンジャミン・クリッツァー氏が行ったインタビューを3回シリーズでお届けする。第2回は、再び注目を集めるアナーキズムやマルクス主義について聞いた。 アイデアの「起源」と「価値」の関係 ——『暴力の人類史』や『21世紀の啓蒙』では、世界を改善するうえで啓蒙思想や民主主義が果たした役割が強調されていました。しかし、「ヨーロッパ起源である啓蒙思想や民主主義が世の中を良くしてきたと主張するのは、西洋中心主義的な発想だ」と批判する人も多くいます。このような批判には、どう答えられますか? ピンカー まず、「アイデアの起源がどこにあるか」ということは、そのアイデアが真であるか偽であるか、そのアイデアが役に立つかそうでないかということとは全く関係が

                              【独占インタビュー】スティーブン・ピンカーが語った「マルクス主義とアナーキズムの何が間違っているのか」(スティーブン・ピンカー) @gendai_biz
                            • 末期がんで入院中の男 指名手配の桐島聡容疑者と判明

                              概要 1970年代の連続企業爆破事件の容疑者として指名手配されていた東アジア反日武装戦線のメンバー、桐島聡容疑者(70)とみられる男が神奈川県内の病院に入院していることがわかった。 男は「自分は桐島聡」と名乗り出て、事件当時の詳細な話を警視庁公安部に対して行っている。 警視庁はDNA鑑定などで身元の確認を急ぎ、桐島容疑者と特定し次第、約49年の逃亡生活の解明を進める。 詳細 指名手配の経緯 桐島聡容疑者は、1970年代に日本のアナーキズム系新左翼過激派である東アジア反日武装戦線のメンバーとして、海外進出企業などを標的にした連続企業爆破事件に関与したとされる。 1975年4月18日には、東京の銀座にあった韓国産業経済研究所のビルに手製の時限信管付爆弾を仕掛けて爆発させ、ビルの一部を損壊させた。この事件について、桐島容疑者は爆発物取締罰則違反の疑いで同年5月に指名手配された。 その後、桐島容疑

                                末期がんで入院中の男 指名手配の桐島聡容疑者と判明
                              • 人文書じゃなくてファンブック(読書メモ:『布団の中から蜂起せよ:アナーカ・フェミニズムのための断章』) - 道徳的動物日記

                                布団の中から蜂起せよ: アナーカ・フェミニズムのための断章 作者:高島 鈴 人文書院 Amazon (※ この記事を公開した翌日に、「追記」を公開している。むしろ「追記」のほうがより気合い入れて書いているので、こちらも参照してほしい。) davitrice.hatenadiary.jp まず先に書いておくと、わたしは著者(高島)に対してよい印象を持っていない。というか、明確に嫌いである。 嫌いな理由のひとつは…なんか知らんうちにTwitterでブロックされていたのもきっかけではあるけれど…オンラインで読める著者の文章が中身のないアジテーションにしか思えなかったということだ*1。 それ以上に、2020年3月臨時増刊号の『現代思想』に掲載された千田有紀の文章に対して、2021年11月号の『現代思想』で議論や論証を行うことなく「千田の文章はトランス排除的であり、文章を掲載した『現代思想』は責任を

                                  人文書じゃなくてファンブック(読書メモ:『布団の中から蜂起せよ:アナーカ・フェミニズムのための断章』) - 道徳的動物日記
                                • 鷲尾 拓 on Twitter: "アナーキズムを実践して生活する人を「パラサイト」と小馬鹿にしたイェール大学助教授(助教?)の成田悠輔さん。明治大学教授の田中ひかるさんから反論されて完全に沈黙しました。 (2022年5月頃だったかな) https://t.co/KPzFikKn97"

                                  アナーキズムを実践して生活する人を「パラサイト」と小馬鹿にしたイェール大学助教授(助教?)の成田悠輔さん。明治大学教授の田中ひかるさんから反論されて完全に沈黙しました。 (2022年5月頃だったかな) https://t.co/KPzFikKn97

                                    鷲尾 拓 on Twitter: "アナーキズムを実践して生活する人を「パラサイト」と小馬鹿にしたイェール大学助教授(助教?)の成田悠輔さん。明治大学教授の田中ひかるさんから反論されて完全に沈黙しました。 (2022年5月頃だったかな) https://t.co/KPzFikKn97"
                                  • 映画『ジョーカー』は監督がジョーカーという仮面を被って作った社会派作品 - はなくそモグモグ

                                    一応ネタバレ注意です。 見に行こうと思っている人は見てから読んだほうがいいです、多分見た頃にはこの記事の存在を忘れてるだろうけど。笑 あと、できるだけ一人で見に行ったほうがいいです。 カップルとか連れと見に行くと上映後ヒエヒエになって、この後飯行く?みたいな気分にならないからです。 予告を見た第一印象は 社会からは認められないけど自分を理解してくれる母や恋人がいて、なんだかんだそれを失った失意で社会に復讐し始める。みたいなありがちなオリジンストーリーで、ダークナイトみたいなキレキレの知能犯が人々を扇動しながら社会を翻弄していくアクションありの殺人爆発クライム映画になるんだろうなぁ と思っていたら中身は全然違っていました 方向性としては「タクシードライバー」とか「キングオブコメディ」的な 「面白い」というのはまたなんか違うなぁ、と。 登場人物も基本的にホアキン・フェニックス演じるアーサー(ジ

                                      映画『ジョーカー』は監督がジョーカーという仮面を被って作った社会派作品 - はなくそモグモグ
                                    • 保守主義って、本来どういうものなのだろうか。

                                      保守主義の本来 このごろの日本において、「自分は保守だ」といえば、「自民党支持」とイコールでほぼ繋がれてしまうかもしれない。 いや、近ごろは野党にも保守を称するものが出てきているので、そうとも言い切れないが。 いずれにせよ、現実の政党名と結び付けられてしまう。おもしろくない話だと思う。 そりゃあもちろん、現実の社会に現実の政治というものがあって、現実の政治家が政治をしている。 現実のわれわれは現実の投票行動などの政治活動をして、その結果、そうなっている。現実とは無縁でいられない。 とはいえ、保守主義というものがあったとして、現実の諸問題に対するスタンスがそれに先んじて出てきて、賛成と反対で色分けされて、「じゃあお前は保守」、「君は革新」と分別されるのはどうなんだ。 現実の諸問題を考える前に、とりあえず保守主義って本来なんだろうかって考えたほうがいいんじゃないのか。 なんとなくの雰囲気で、保

                                        保守主義って、本来どういうものなのだろうか。
                                      • 中華ゲーム規制・BL規制・教育規制の考察~教育と娯楽の「社会化」で分析するチャイナ規制仮説

                                        中華人民共和国政府が、相次いでコンテンツ産業の規制を打ち出したことが報じられ、話題となっています。一連の動きの背景について、戦略科学の観点から中国政府の政策分析を行っている中川幸司さん (中国人民大学客員研究員) に解説をして頂きました。 中華ゲーム規制・BL規制・教育規制の考察~教育と娯楽の「社会化」で分析するチャイナ規制仮説 中川幸司 (中国人民大学客員研究員) ゲームは「精神的アヘン」、未成年は毎週3時間までのプレイ時間制限。民間学習塾の営利ビジネス禁止。「推しメン」購買消費の禁止。エンタメ業界スターらの政治スタンス厳格化等々。これらはチャイナ当局から直近1,2ヶ月で矢継ぎ早に振り下ろされた規制の一部です(本原稿は2021年9月初旬に書かれています。)。エンタメや教育などの幅広いジャンルのソフトウェアビジネスが今般の「紅い鉄槌」の餌食になりました。自由な思想・家庭内文化を打ち砕くかの

                                          中華ゲーム規制・BL規制・教育規制の考察~教育と娯楽の「社会化」で分析するチャイナ規制仮説
                                        • コロンビア大卒・国立大准教授の“ガチ物理エリート”はなぜギャルルックでTikTokに降臨したのか「よく言われますが、ギャルが何なのかわかってない(笑)」 | 文春オンライン

                                          信州大学の准教授でもあるBossBさん 本人のTikTokより 「ギャルが何なのか、よくわかってないです(笑)」 ──TikTokやYouTubeなどのSNSで、「物理をガチで語るギャル」「実はコロンビア大出身の博士」として話題ですね。なぜ、そのギャルスタイルに? BossB よく「ギャル」と言われますが、私としてはまったくそのつもりはないんですよ。日本でギャルが流行った頃にはアメリカにいて、20年以上海外で暮らしていたので。ギャルが何なのか、よくわかってないです(笑)。 オンライン取材でのBossB氏 ──そうでしたか。では、今のルックスになったのはいつ頃? BossB 髪の色を変えたのは、高校卒業後にニューヨークに行ってから。同じ色だったことがないくらい、いろいろやりました。赤や青、黄色、緑はもちろん、白にしたり。坊主にしたときもあったし。 ──坊主は強烈ですね。では、いわゆる「優等生

                                            コロンビア大卒・国立大准教授の“ガチ物理エリート”はなぜギャルルックでTikTokに降臨したのか「よく言われますが、ギャルが何なのかわかってない(笑)」 | 文春オンライン
                                          • [書評] 戦後フランス思想(伊藤直): 極東ブログ

                                            私は66歳にもなって自分を大人気なく思う。本書『戦後フランス思想』を読んで、ああ、こういう解説は簡素によくまとまっているけど、あの時代の日本の空気が感じられないなあ、と思ってしまった。ということを書くのも、大人げないが、本書はそんな郷愁をもたらした。と、いうのも、あまり正確ではない。後で触れるが、本書は実はとても現代的でもある。 もう少し、大人げない話をしたい。本書を読みながら、十代の自分が今も自分の中にいることに気がつく。アルベール・カミュは私の少年期そのものだったからだ。なんかもう自殺しようかなと思っていた中二の私は、確か、白井浩司の書いた、フランス哲学風人生論で、カミュを知った。曰く、『シーシポスの神話』を読みなさい、というのだった。読んだ。哲学の問題は今、自殺するかしないかだとする、本書にも引かれているが、その基調は、中二の心を掴んだ。不条理(なんですかコレという笑っちゃうね状況)

                                            • なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか――イアン・M・バンクス論 著:ジョセフ・ヒース(『反逆の神話』著者)|Hayakawa Books & Magazines(β)

                                              『反逆の神話』『啓蒙思想2.0』のジョセフ・ヒースによる、サイエンス・フィクション論にして現代社会論。「自由」の最果て、「カルチャー」と「アイデンティティ」の逆説。 なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか──イアン・M・バンクス論ジョセフ・ヒース/青野浩訳 もう何年も前になる。いろいろ物知りの友人から、1冊の本を手渡され「あなたはこれを読むべきね」と言われた。イアン・M・バンクス著『Use of Weapons(武器の使用)』と題された本だった。 僕は表紙のキャッチコピーをチラ見して、「〈カルチャー〉(the Culture)って何なの?」と尋ねた。 「そうね。説明するのは難しい」と彼女は答えた。彼女は腰を据えて長い会話をしたがっているように見えた。 「タイには、〈犬〉(the Dog)と呼ばれる存在がいるのよ。タイではどこに行っても〈犬〉を目にするの。道端をウロウロしていたり、市場を忍び歩いて

                                                なぜ〈カルチャー〉が勝利するのか――イアン・M・バンクス論 著:ジョセフ・ヒース(『反逆の神話』著者)|Hayakawa Books & Magazines(β)
                                              • 労働から逃避したところで幸せになれるの?(読書メモ:『隠された奴隷制』) - 道徳的動物日記

                                                隠された奴隷制 (集英社新書) 作者:植村邦彦 発売日: 2019/08/23 メディア: Kindle版 本のタイトルはマルクスの『資本論』に出てくるキーワードであり、この本の内容もマルクス主義的なものだ。 第一章〜第三章では、ロックやモンテスキューからはじまってアダム・スミスやヴォルテールやヘーゲルなどの哲学者たちが「奴隷制(黒人奴隷制)」についてどんなことを言っていたか、というあらましが紹介される。そして、第四章では、マルクスの書いた「隠された奴隷制」とは何を意味していたのか、という詳細が明らかにされる。 第五章や第六章では現代社会の労働や資本主義について話が移る。この本の結論としては、一見すると自由で自発的に生きている現代の賃労働者たちが働く環境も、けっきょくは「隠された奴隷制」であるに過ぎない、というものだ。 個人的な感想としては、第四章までには思想史的な面白さがあった一方で、第

                                                • 書評 「生物学者のための科学哲学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                  生物学者のための科学哲学 勁草書房Amazon 本書は生物学にかかわる科学哲学の主要トピックについて科学哲学者や科学史家たちが解説したもの.編者は科学哲学者のカンプラーキスと生物学者のウレルで,書名にもあるように想定読者としては生物学者が念頭に置かれている. これまでの生物学の科学哲学の入門書だと「種とは何か」「自然淘汰の単位は何か」「系統樹の推定はどのような営みか」「利他行動の進化とマルチレベル淘汰」「発生システム論」などの個別の各論のトピックが主要テーマになっているものが多いが,本書が取り上げるものは必ずしも「生物学の科学哲学」に限らないということで,「説明」「知識」「理論とモデル」「概念」などの基礎ブロック的なテーマが数多く取り上げられていてなかなかハードな内容になっている.原題は「Philosophy of Science for Biologists」. 第1章 なぜ生物学者は科

                                                    書評 「生物学者のための科学哲学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                  • アナーキーなPDCAのために 哲学者 千葉雅也 | 日本規格協会 JSA GROUP Webdesk

                                                    工業標準化法改正に伴うJIS規格名称変更のお知らせ(2020年6月22日更新) 2020/06/22 2020年6月吉日 お 客 様 各 位 日本規格協会グループ 出版情報ユニット 工業標準化法改正に伴うJIS規格名称変更のお知らせ 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素より当協会の事業へ格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、平成30年第196回通常国会において「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(法律第33号)が可決成立し、工業標準化法が一部改正されました(平成30年5月30日公布)。 これにより2019年7月1日より、“工業標準化法”は“産業標準化法”に変わり、“日本工業規格(JIS)”は“日本産業規格(JIS)”に変わりました。 2019年6月末日までに発行されたJISについては、まえがきを除き、JIS規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み

                                                      アナーキーなPDCAのために 哲学者 千葉雅也 | 日本規格協会 JSA GROUP Webdesk
                                                    • カレーメシをご飯にかける

                                                      日清食品の「カレーメシ」は、お湯を入れて5分待ったのち、よくかき混ぜるとカレーが完成するというインスタントカレーだ。 このカレーメシを、ご飯にかけて、カレーメシかけ飯を作りたい。 カレーメシをつくる→かける=アナーキズム まずは「カレーメシ」をつくる。 固形ルウ的なものと、フリーズドライされた白米、具が入っているカップに、熱湯を注ぎ、5分待つ。 お湯をそそいで5分待つ 不思議な注意書き フタに「※ちゃんとしたカレーになります。」との注意書きがある。疑り深い人がいるのだろうか? かなり入念に混ぜる カレーメシは、かなり入念にまぜることを推奨している。混ぜ終わると、本当にカレーのルウと遜色ないカレーが完成した。フタの注意書きのとおり、本当に「ちゃんとしたカレー」だ。 普通は、これをこのまま食べるわけだが、今回は、これをご飯にかけて「カレーメシかけ飯」を作る。 うわ〜 メーカーの想定する食べ方を

                                                        カレーメシをご飯にかける
                                                      • ジョセフ・ヒース+アンドルー・ポター著『反逆の神話〔新版〕:「反体制」はカネになる』

                                                        2004年に原著が刊行され、大変な論争を読んだ一冊の新版が翻訳された。2019年のフランス語版に付された、刊行後の15年を総括する文章も新たに訳出されており、本書の主張や現状の政治的状況についての理解を深めてくれるだろう。 ジョセフ・ヒース+アンドルー・ポター著『反逆の神話〔新版〕:「反体制」はカネになる』『反逆の神話』は原著タイトルを「THE REBEL SELL」と言い、「反逆が売り物にされている」という意味である。一番目先の批判のメインターゲットは、アドバスターズ・メディア社や、ナイキ、ナオミ・クラインらの反グローバリズム運動などであるが、その背景にあるカウンターカルチャーやフランクフルト学派の思想を批判的に検討するという射程の一冊であり、そうであるがゆえに非常に論争的で扱いの危険な一冊である。 『アドバスターズ』はカナダの財団が発行している「広告破壊」の雑誌で、左派活動家向けの雑誌

                                                          ジョセフ・ヒース+アンドルー・ポター著『反逆の神話〔新版〕:「反体制」はカネになる』
                                                        • 丸善京都の熊代亨選書フェア@はてなブログ編 - シロクマの屑籠

                                                          ・丸善京都本店、『人間はどこまで家畜か』刊行記念・熊代亨選書フェア ご好評いただいている『人間はどこまで家畜か』にまつわる本や問題意識が近い本を集めたフェアを、丸善京都本店さんで開催していただいています(ありがとうございます!)。そちらで紹介されている本については、京都丸善本店さんで実際に手に取ってみていただければと思います。 このブログでは、ぎりぎり選外になった本や、値段が高すぎたり難易度が高かったりして紹介をためらった本、諸事情から選外に漏れた本などをまとめて紹介したいと思います。 1.ちょっと重たいかもと思って紹介しなかった本 ヘンリック『文化がヒトを進化させた』 文化がヒトを進化させた―人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazonハーバード大学の進化生物学教授が書いた刺激的な本。ヒトの進化が文化を創りだしたのは昔から言われていることですが、この本で

                                                            丸善京都の熊代亨選書フェア@はてなブログ編 - シロクマの屑籠
                                                          • ピーター・ターチン「人類の社会進化についてのアナーキスト的見解:デヴィッド・グレーバーさん、かなりヘンですよ」(2019年2月10日)

                                                            ピーター・ターチン「人類の社会進化についてのアナーキスト的見解:デヴィッド・グレーバーさん、かなりヘンですよ」(2019年2月10日) An Anarchist View of Human Social Evolution February 10, 2019 by Peter Turchin デヴィッド・グレーバーとデヴィッド・ウェングローは、最近New Humanist誌に「我々は都市居住者なのか? それとも狩猟採集民なのか? 最新の研究は、原始人間社会に関するお馴染みのお話は間違えていることを明らかにした――研究の帰結は深遠である」との長い論説を発表した。以下は、私の彼らの論文への批判的レビューだ。彼らのエッセイから、「大きな塊の文章」を引用してから、それに私がツッコミを加えるスタイルを採用している(通常私は、長々と引用しない。しかし私の見解がかなり批判的なので、パラフレーズではなくて

                                                              ピーター・ターチン「人類の社会進化についてのアナーキスト的見解:デヴィッド・グレーバーさん、かなりヘンですよ」(2019年2月10日)
                                                            • ジョン・ガッテニョ「SF小説」(文庫クセジュ) SFは方法とテーマの文学。人間や社会にペシミスティック出会っても科学への信頼は揺るがない。 - odd_hatchの読書ノート

                                                              これを読むと、ミステリ(探偵小説)は形式の文学だなあと思う。形式は犯罪→探偵→捜査(解決)で構成される。そこにはしばしばテーマはない。形式を踏まえていれば、何の内容もなくてかまわない。量産されるミステリ(探偵小説)はそういうものだ。また作品はしばしば超歴史的。どこでだれがどのような状態で書いたかというのは、形式を検討するときに問題にされない。なので、19世紀の短編は21世紀の短編と形式において比較可能になる。 一方、サイエンス・フィクション(SF)は方法とテーマの文学だ。方法は科学的思考(ここでは知識と推論で代表される。別のなにかでいえそうだが、自分には見つからない)。その方法でいくつかのテーマを扱う。無理やりに統合すると予測(仮説とか外挿とかでもいいような気がするがぴったりすることばが見つからない)。このふたつがとりあえずそろっていれば、形式なぞなくてもSFは可能になる。とはいえ、19世

                                                                ジョン・ガッテニョ「SF小説」(文庫クセジュ) SFは方法とテーマの文学。人間や社会にペシミスティック出会っても科学への信頼は揺るがない。 - odd_hatchの読書ノート
                                                              • R.I.P. Vivienne Westwood | ele-king

                                                                MOST READ interview with Sleaford Mods 賢くて笑える、つまり最悪だけど最高 | スリーフォード・モッズ、インタヴュー (interviews)Columns 創造の生命体 〜 KPTMとBZDとアートのはなし ①アーティストと薬 (columns)R.I.P. Mark Stewart 追悼:マーク・スチュワート (news)Cornelius ──2023年、私たちはあらためてコーネリアスと出会い直す。6年ぶりのニュー・アルバムとともに (news)interview with Kid Koala カナダのベテラン・スクラッチDJ、久びさにターンテーブルが主役のアルバム | キッド・コアラ、インタヴュー (interviews)OZmotic & Fennesz - Senzatempo | オズモティック (review)Gina Birch -

                                                                  R.I.P. Vivienne Westwood | ele-king
                                                                • ライトノベルの歴史における遡及範囲の検討と、ゼロ年代ライトノベルの定義についての持論 - ハテナのごとく!

                                                                  はてなブログ用の前書き (必読) はじめに 概要 背景 ライトノベルが未だ未定義な3つの理由 1.先行研究の少なさと、そこに見る未定義の許容 2.SFもまた未定義である 3.越境するライトノベル アプローチ 先行研究 東浩紀が与えた「消費」の概念 「動物化」とは何か 「データベース消費」が示すサブカルチャーの変遷 「シミュラークル」により坩堝と化すサブカルチャー 『デ・ジ・キャラット』に見る「萌え要素」の消費 児童文学とライトノベル ライトノベルの起源はどこまで遡れるのか? ライトノベルの「現実逃避」に至る物的証拠 子供の人権意識から見る、ヤングアダルトの産声と背景 子供の「解放」としての児童文学 児童文学との比較に見るライトノベルの定義 従来のライトノベルの定義の問題点 ライトノベルをあえてベタに読む意味 スノビズムがライトノベルにもたらしたもの おわりに 脚注・出典 はてなブログ用の前

                                                                    ライトノベルの歴史における遡及範囲の検討と、ゼロ年代ライトノベルの定義についての持論 - ハテナのごとく!
                                                                  • アセモグル&ロビンソン『自由の命運』(上・下) - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                                                    今本屋に平積みされているアセモグル&ロビンソン『自由の命運』(上・下)は、前著『国家はなぜ衰退するのか』の足らざるところを相当程度補ってくれる本ではありました。とりわけ、ホッブズが描いたそもそも怪物を必然たらしめる「不在のリヴァイアサン」と、その怪物に振り回される「専横のリヴァイアサン」のはざまの「狭い回廊」としての「足枷のリヴァイアサン」という図式は、正直言うと政治思想史の常識だよな、という気持ちもありつつ、こういう形できれいに図式化してくれると、大変わかりやすいよなと思うし、とりわけある種の経済学に凝り固まってしまった人が、そもそもの「不在のリヴァイアサン」の悲惨さに対する想像力が見事に欠落してしまっていた経験(後述の過去エントリ参照)からすると、一般向けの経済学の教科書を書いている名の通った経済学者がこういう本で啓もうしてくれるのは大変いいことだと思ったところです。 多分、新型コロナ

                                                                      アセモグル&ロビンソン『自由の命運』(上・下) - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                                                    • ホッブズ、哲学的アナーキスト、ルソー、ミル(読書メモ:『政治哲学入門』) - 道徳的動物日記

                                                                      政治哲学入門 作者:ジョナサン ウルフ 晃洋書房 Amazon 原書は1996年(最近に第4版が出版されているが)、邦訳も2000年。なんのフックもないタイトルに地味な装丁といかにも売れそうにないタイプの本だが、その中身はというと、わたしがいままで読んだ政治哲学入門のなかでも傑出した出来栄えだ*1。 「自然状態」とはどのようなものであるかというところから始まって、国家の正当化や民主主義の正当化、自由や財産の配分についてどう考えるか、個人主義に対する共同体主義的・フェミニズム的な批判と、政治哲学のトピックが幅広く扱われている。功利主義やリベラリズムといった理論ごとに章立てされているのでもなければ、思想家を時系列に紹介していくのでもなくて、章ごとの問題を扱いながら(西洋の)主要な哲学者たちの政治思想を提示していく、というところがミソ。 また、第一章で「(アナーキズム的な見解を除けば)自然状態は

                                                                        ホッブズ、哲学的アナーキスト、ルソー、ミル(読書メモ:『政治哲学入門』) - 道徳的動物日記
                                                                      • 『万物の黎明』を読む。 #323|Χ

                                                                        デヴィッド・グレーバーとデヴィッド・ウェングロウによる『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』を読んだ。本書は紙で708ページ、Kindle版で1097ページという大ボリュームであるため、大まかな論旨を追いつつも、個人的に気になった部分を中心に取り上げながら紹介していく。 『万物の黎明』で印象的だった部分不平等は自然状態or文明病?「どうすれば不平等を是正できるのか?」という問いを考えると、「なぜ不平等が発生したのか(平等だった時代や社会はあったのか)?」という問いも浮かぶ。その先駆者と言えばルソーとホッブズだ。 ルソー的な考え方をすれば、「昔は平和だったのに文明のせいで人類は不幸になっている(不平等になってきている)」となる。一方、ホッブズ的に考えれば、「昔は争いの絶えなかった人類は文明のおかげで平和な社会を構築してきた(不平等が解消されてきた)」となる。(ちなみに、二人が言う「自然状

                                                                          『万物の黎明』を読む。 #323|Χ
                                                                        • 場をしのぐこと——命令形についての一考察|森脇透青

                                                                          ※ 『文藝』2021年春季号に掲載されたいくつかの論考についての感想、14700文字程度。有料設定は投げ銭用なので、無料で全文読めます。 現代とは何の謂いか現代。/着地点はねえ/ずっと飛んでるキブン/ヘンタイの思想は共感できん/四季が巡り/色とりどりの人類模様/俺はいつも動揺を押さえきれん(KIMOCHI - ZAZEN BOYS)それにしても「現代」とはいつ、どこにあるのでしょうか。周りを見渡す限り、私を含む数多くの人たちが、「現代」の不定形さや流動性に怯え、その不確かな輪郭を掴もうとしているように思われます。あるいは、他の時代と異なる、「現代」の特徴、そのダイナミズムを捉えようとしているとも言えるでしょう。 何が新しくて、何が旧いのか。思想とか批評とか哲学とか文学とかいわれる極めて抽象的で、どこか現実実のない営為が、たとえわずかでも一定数の読者を獲得している背景に、「いま・ここ」を特徴

                                                                            場をしのぐこと——命令形についての一考察|森脇透青
                                                                          • 朴先生からのご質問「内田の政治的立場は何か?」 - 内田樹の研究室

                                                                            韓国では、内田先生は「リベラル知識人」として広く知られています。実際に多くのマスコミでは、内田先生のことを「リベラル知識人」として紹介されています。 しかし、およそ十年以上先生のほとんどのご著作を読みふけるだけでなく、新聞・雑誌・Webメディアなどの媒体に寄稿された文章を読んだり、先生が出演されているラジオ番組などを聴いている者としては、内田先生のことを「リベラル知識人」として簡単に決めつけてしまうのはちょっと違うのではないかと思われます。 たとえば、先生の「教育論」などを読んでいると、 「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」というフレーズをよく目にいたします。こういう先生の「教育」についての知見は明らかに「保守的な」考え方ですよね。 そうしているうちに先日、 中島岳志さんが書いた『「リベラル保守」宣言』という本を

                                                                            • 首相出席の決算委に安倍派幹部がずらり 野田元首相「総決算に格好」:朝日新聞デジタル

                                                                              17日に岸田文雄首相が出席した衆院決算行政監視委員会には、自民党派閥の裏金事件で党による処分を受けた安倍派5人衆のうち、世耕弘成前参院幹事長を除き、松野博一前官房長官、萩生田光一前政調会長、高木毅前国会対策委員長、西村康稔前経済産業相の衆院側の4人全員が委員として選ばれていた。質問に立った立憲民主党の野田佳彦元首相は「安倍派幹部がこぞっている。政治とカネの問題の総決算をする舞台として格好の場だ」と指摘した。 17日の衆院決算行政監視委には、安倍派5人衆のうち、松野、萩生田、高木氏が出席。同じ党による処分を受けた安倍派事務総長経験者の下村博文元文部科学相の姿もあった。同委はテレビ中継され、萩生田、下村両氏が画面に同時に映る場面もあった。 同委は、国会論戦の主舞台である予算委と比べれば、注目度は高くない。自民関係者によると、決算行政監視委が目立たないことを理由に、これまでも処分などを受けた議員

                                                                                首相出席の決算委に安倍派幹部がずらり 野田元首相「総決算に格好」:朝日新聞デジタル
                                                                              • 連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく

                                                                                政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第8回! あらためて注目が集まっているアナキズム思想の現代的可能性をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目として日本の現役の思想家を取り上げる待望の回「ねこと森政稔」の前半です! ※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ 「ジェイン・ジェイコブズ編」の第1回へ 「ヴァンダナ・シヴァ編」の第1回へ 駒場のねこたち 去年の秋のことだ。ミネルヴァ書房から本が送られてきた。送り主は森政稔。あれ、本を出すなんて聞いてないけど、と包みをビリビリ破ると、中から『猫と東大。』なる本が出てきた。「あっ、すごい」。表紙はおそらく、あとで森政稔との2ショット写真を載せるミレちゃん(現在推定14歳)だ。 この本には、ねこ好きやねこ飼いの東大の先生たちが出てき

                                                                                  連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく
                                                                                • 反ユダヤ主義を克服できなかったユダヤ人国家イスラエル(パレスチナとイスラエルの戦争に関する時事解説) - 夢現抄

                                                                                  はじめに 2023年10月7日、パレスチナ武装勢力の攻撃により、イスラエルとパレスチナの武力衝突が始まりました。真に残念ながら双方に多数の死傷者が出ており、これ以上の犠牲者が出る前に、双方が早期に戦闘を終えることを強く望みます。 本稿は、なぜ西アジアにユダヤ人の国民国家イスラエルが建国されたのか、そしてイスラエルが建国されたことが、ユダヤ人にとってどのような歪みをもたらしているのかについて論じるものです。その意味で、本稿は「パレスチナ抜きのパレスチナ問題」の解説となります。不十分であることを恥じつつ、このような方向からの時事解説は余りないと思うため、空隙を埋めることに寄与すれば望外の幸いです。 はじめに 本稿の概要 1.ユダヤ人差別に反対する思想としてのシオニズム 2.欧州における反ユダヤ主義の歴史 なぜ右翼のシオニズムが勝利したか 2-1.キリスト教における反ユダヤ主義 2-2.右翼陰謀

                                                                                    反ユダヤ主義を克服できなかったユダヤ人国家イスラエル(パレスチナとイスラエルの戦争に関する時事解説) - 夢現抄