はじめに この世界には「狭間の国」といえる国家が存在します。複数の大国に囲まれ、たえずその勢力争いに巻き込まれてきた国です。 今世界から注目されるウクライナは、典型的な「狭間の国」といえるでしょう。以下、その視点でウクライナの歴史をざっと述べていきます。 目 次 キエフ・ルーシの成立 国家の崩壊~ポーランド・リトアニアの支配 ロマノフ朝ロシア(ロシア帝国)の支配 ソ連に組み込まれる スターリン時代の苦難 第二次世界大戦時のナチスによる占領 スターリン以後~独立国となった現代まで まとめ キエフ・ルーシの成立 ウクライナの起源は、800年代に成立したキエフ・ルーシという国家です。「ルーシ」とはロシアのことで、スラブ民族(東スラブ)にほぼ該当します。 キエフ・ルーシという国ができたのは、バルカン半島を中心とするビザンツ帝国(東ローマ)の影響を受けた周辺地域でした。ビザンツ帝国は、古代のローマ帝