「うちのお墓は空っぽなんです。身内はみんな空襲でいなくなって、遺体は公園に埋まっているんです。私はいつも、空っぽのお墓に手を合わせているんです。そのお墓に、せめて遺骨のかわりに入れられるような何かをいただきたい、それだけなんですよ」 全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)の星野弘さんの言葉が忘れられない。 終戦から76年が過ぎようとしているが、空襲被害者に対する国からの補償は何もないままだ。私は超党派の議員連盟で、空襲被害者救済の議員立法を目指してきた。法案の要綱はまとまったが、今回の通常国会に法案を提出することはできなかった。 星野さんは2018(平成30)年に亡くなり、私の事務所によく来られていたほかの空襲被害者の方も、多くの方が天に旅立たれた。このまま終わらせてはならない。空襲を体験した方がいらっしゃる間に、なんとか成果に到達したい。 天災にあり、人災にない被害補償 第二次大戦中、全