奨学金破産 家計が苦しいために借りた奨学金が、結果的に親子の共倒れを招いている。経済環境の変化に加え、日本学生支援機構が「金融事業」の色合いを強めたことも背景にある。相次ぐ自己破産は、右肩上がりの時代を前提とした制度のひずみもあぶり出している。 破産が相次ぐ背景には何があるのか。この30年間で国立大の授業料は2・13倍の約54万円、私大は1・76倍の約88万円になった。一方で平均給与は大きく上がっていない。 卒業後も非正規雇用などで収入が安定せず、返還に苦しむ人が後を絶たない。3カ月以上の延滞者は16年度末で16万人。15年度の機構の抽出調査では、77%が「年収300万円未満」と答え、延滞が続く理由(複数回答)は「低所得」が67%で最も高かった。