マスコミも取り上げる機会が増えてきた宗教2世問題。その内実について、当事者、そして研究者の立場から横道誠さんが解説する。 (『中央公論』2022年2月号より抜粋) 「宗教2世」という言葉が一部のマスメディアで注目を集めつつある。宗教2世とは、親が信仰している宗教を同様に信仰している、または信仰していた子を指す。 従来、多くの宗教がそのような仕組みを持っていたが、近年の日本では、これが問題視されるようになってきている。 自助グループの主宰者 まずは筆者について紹介させていただきたい。 私は自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)と診断されている。これらの発達障害(現在の正式な医学名は神経発達症群)と生活環境の摩擦が生みだすさまざまな生きづらさについて考え、少しでも生きやすさを得るために、京都やオンライン空間に自助グループを立ちあげ、仲間たちと「当事者研究」を進めてきた。 当