ついに雇用維持の限界がきた。ANAホールディングス傘下で国内航空最大手の全日本空輸は10月7日、退職金の割り増しによる希望退職の募集を労働組合に打診した。2013年度には同様の条件で希望退職を募り40人が応じたが、今回の募集人員の規模に定めはない。 7月末の決算会見でANAの福澤一郎常務は「雇用を守りながらこの危機を乗り越えるという基本方針は変わっていない」と語っていた。だが、本格的な航空需要の回復期が見通せず、ついに方針を転換した。 今回、希望退職のほかにも、今冬の一時金をゼロとすることや、一般社員の月給の減額も提案。夏季一時金が従来比50%減となったこともあり、社員の年収は前年比約3割減となる見込みだ。ほかにも、スキルアップなどの条件付きだった最大2年間の無給休業制度を、事由を問わない形に切り替える。 JALは人員削減を否定 全日本空輸は2020年3月末時点で1万4830人の従業員を抱