気がつけばこの連載も早4年以上続いている。スタート以来ほぼ毎月のペースで更新してきたから、回数でいえば50回近くになるわけだ。これだけ回数を重ねてくると、特にそう意図せずとも、おぼろげながらここ数年のリイシュー/発掘シーン全体の傾向や流行が見えてくるから面白い。 近年の流れとしてまず指摘できるのが、この連載のスタートのきっかけでもあり、常に主な関心範囲としてきたオブスキュアな作品のリイシュー/発掘の流れの定着だろう。一昔前ならかなり挑戦的に感じられた、90年代のもの、とくにCDをオリジナルとする作品のアナログリイシューは、もはやニッチとはいえない規模に拡大しつつあるし、ニューエイジやエクスペリメンタルものの情報のアーカイブ化も相当程度進み、いまやスタンダードなアイテムがほぼ出揃った状況といえそうだ。その一方で、さらにマイナーな、かつごく一部のマニアのみに名の知られているような作品のリイシュ