30年前のパソコン通信は,ピーピーガーガーという音声を介して行われていた。音響カプラという受話器を大きくしたようなスピーカーをパソコンにつなぎ,デジタルデータをわざわざアナログ音に変換して,電話回線で送っていた。速度はわずか毎秒数百から1,000ビット。bit per secondという単位をbpsと記した。通信速度も遅かったが,パソコンのメモリーも32~64キロバイトしかなかった(1バイトは8ビット)。しかも,プログラムをカセットテープから読み込むのに10分ほども待たされた。 現在は光ファイバー通信が数メガバイト毎秒の速度を出し,安価なパソコンですら4ギガバイトのメモリーを搭載する。30年前に比べれば通信速度もメモリー量も10万倍,鉄腕アトム並みの進歩である。また,生活の中でじっと待つという行為も減少した。待たないどころか,LINE(ライン)を扱う子供たちの間では,即座に返事をしないと仲