自民党派閥の裏金事件を受け、岸田文雄首相は「派閥解散」を宣言した。しかし、派閥間では解散、事実上の存続と対応は分かれたままだ。「厳しい状況をやり過ごすためなのでしょう」。政治学者で東京大名誉教授の御厨貴さん(72)は「政治とカネ」の問題に取り組む自民党の姿勢を疑問視する。 「岸田の乱」と呼ばれた派閥解散宣言も中途半端に終わりそうな情勢である。昨年12月に派閥を離脱していた岸田首相は1月18日の記者会見で、岸田派(宏池会)の解散検討を表明した。「岸田首相は宏池会であることを誇りにしていましたが、捜査のメスが入ると、会長を辞め、派閥自体を解散するという。宏池会、派閥をどう考えていたのか。説得力のある説明もない。矛盾しています」。半世紀にわたって自民党政治をウオッチし、竹下登、宮沢喜一ら歴代首相を対象にしたオーラルヒストリー(口述記録)を手がけた御厨さんは指摘する。 現時点で、政治団体の解散を決