インド北西部のカッチ地方にある円形の凹地は長年、科学者の興味を引きつけている。隕石衝突クレーターの残骸が風化を受けたものと推測されていたこの凹地は、周囲の岩石に天体衝突の変成作用で形成される特徴的な鉱物が含まれていることが、最新の地球化学的分析によって明らかになったと、米航空宇宙局(NASA)のウェブサイトEarth Observatoryに掲載されているリンジー・ドーマンのブログ記事に記されている。 近くにある村の名前にちなんで命名されたこの「ルナ構造体」は、直径約1.8kmで、外縁部は周囲の草原より6mほど高くなっている。最も深い地点には、一時的に塩水湖ができている。研究チームは2022年5月の乾期を利用して、構造体全域からサンプルを収集した。 サンプルの岩石や堆積物から、地球の自然環境ではめったに見られない鉱物をいくつか検出した。これらの希少鉱物は、隕石が地面に衝突する際に生じる超高