健康のためによかれと摂(と)っていた食品で命まで失う―そんな事態が繰り返されてはなりません。小林製薬の紅麹(べにこうじ)サプリメントの健康被害を受け、政府は機能性表示食品制度の「今後の対応」を示しました。しかし最低限の応急措置としてもまったく不十分です。現行制度は廃止し根本から見直す必要があります。 機能性表示食品制度は、飲むだけで「コレステロールを下げる」などの「機能性」(効能)を表示することができる制度です。 ■国が事前の審査を しかし、安全性・効能について国の審査はなく担保は企業任せです。特定保健用食品(トクホ)では法に基づき効果や安全性を国が審査します。機能性表示食品は企業の届け出制で、人を対象にした臨床試験は必須でなく科学的根拠となる文献を提出すればすみます。 小林製薬の事故で、報告まで約2カ月かかり被害を広げたことを受け、今回、企業は健康被害の疑いの情報をつかんだら「速やかに」