銀河の果ての落とし穴 作者: エトガル・ケレット,広岡杏子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/09/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの『銀河の果ての落とし穴』は、イスラエル生まれの作家エトガル・ケレットによる短篇集である。正直「なんか書名がSFっぽいな〜〜〜」ぐらいの興味で買ったのだけれども、これが大当たりだった。ほとんどは2〜8ページぐらいのごく短い超短篇なのだが、それゆえにこそどれも人生にほんの一瞬だけ現れる特別な感情を丁寧に掬い上げていくものばかりで、読み進めていくたびにのめり込んでいった。 題材も奇想的なものからSF的なもの、その組み合わせに自身の出自とも関連したホロコースト物など多岐多様。尽きぬアイディアの魅力もあって、端的にいって短篇集として破格の出来である。超短篇という性質上あんまり中身自体は紹介しづらいんだけど(あっという間にオチまでいって