日本の産業の土台を支える鉄鋼業。1970年代から始まる採用抑制、バブル崩壊によるリストラで、いま安全・技術の継承が困難に陥っています。リストラの果てに、日本の「ものづくり力」が根底から揺らぎ始めています。 5月7日、夜勤の疲労がピークに達する午前5時20分。神戸製鋼(神鋼)・神戸製鉄所で、21歳の青年労働者が一人で作業中に、作動する機械に体がはさまれる重大事故が発生。20日に息を引き取りました。 安全を犠牲 そのわずか11日前、同じ職場で61歳の再雇用のベテランが機械の間に胸をはさまれて肋(ろっ)骨(こつ)が砕けて肺が損傷するという悲惨な事故がありました。これらを含め、鉄鋼事業部門で4月16日からの3週間で5件の重大災害が連続しています。 神鋼は5月8日、鉄鋼事業部門安全非常事態宣言をだします。5月21日には、川崎博也社長が「災害連鎖の流れを断ち切る、実効性のある活動を展開するよう強く要請