関西電力が瀬戸際に追い込まれている。大飯、高浜原子力発電所(福井県)の安全審査が進まず、八木誠社長が、原発が稼働しない前提で今夏の電力需給対策を取る方針を表明する事態にまで追い込まれたのだ。原子力規制委員会に提出したデータが認められないばかりか、審査会合では批判が集中し、審査合格はほど遠い状況で優先原発にも落選。エネルギーの担当記者として安全審査の取材を通し、審査会合で“負け続ける”関電の苦しい今に密着した。(経済部・板東和正)批判ばかりの会合 「再稼働がない前提で需給計画を立てることになる」 3月26日に関西電力本社(大阪市北区)で開かれた定例会見。八木社長は沈痛な面持ちで「優先審査に入らなかったことは事実で(夏の再稼働は)現実的には大変厳しい」とした上で、原発の稼働分なしで需給計画を立てる方針を述べた。昨年10月に担当記者に就任以来、これほど関電が追い詰められた光景を目にしたのは初めて
青森県と秋田県にまたがる世界自然遺産の白神山地で「象徴ともいえるブナの森に地球温暖化の影響が表れている」と懸念する声が地元から上がっている。白神山地で50年以上、クマなどを求めてマタギ(猟師)をしてきた工藤光治さん(72)は29日までに、横浜市で開かれた環境保護団体主催の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)関連イベントで講演し、温暖化対策の強化を訴えた。 工藤さんが森の変化で最も気になっているのは、気温が高くなったせいか虫が大発生し、ブナの実が熟す前に食べられてしまうという点だ。ブナは通常、数年に一度しか実をつけない。だが、最近は毎年つけるようになった。 「実が地上に落ちて発芽しないと、ブナは子孫を繁栄させようと、次の年も実をつけるのではないか」と言い、「そのうちブナは疲れて実をつけなくなってしまうのではないか」と心配する。
ケリー米国務長官は16日、「気候変動問題は、世界で最も恐ろしい大量破壊兵器だとみなすことができる」と述べ、2020年以降の新たな地球温暖化対策の国際的枠組みづくりを含め、迅速な対応の必要性を訴えた。訪問先のインドネシアの首都ジャカルタで演説した。 ケリー氏は気候変動問題への熱心な取り組みで知られる。1万7千余りの島々からなるインドネシアは温暖化による海面上昇の影響を受ける可能性が高いとし「この都市、国、地域は問題の最前線にある」と強調した。 米国務省によるとケリー氏は、人類の活動が温暖化を招いているのは「科学的な事実」だと指摘。これを認めないのは「ごく一部のまやかしの科学者や極端な空想家」だとして現実を直視していないと批判した。(共同)
地球温暖化が進んだ21世紀末の2099年に伊勢湾台風(1959年)級の台風が東京湾を襲うと、高潮で沿岸部を中心に最悪で121平方キロが浸水するとの予測を、防災科学技術研究所と名古屋大などがまとめた。浸水域には東京駅や浅草・雷門などが含まれる。 最悪のケースは、満潮時に水門が全て機能しなかったと仮定。東京都江東区などを中心に浸水すると予想された。海面上昇は千葉県船橋市で最大4・1メートル、東京港も3・4メートルを超える結果となった。東京湾の観測史上最大の高潮は1917年に記録された2・3メートル。 温暖化だけで海面は現在より35センチ上昇と予測。上陸時の台風の中心気圧も900~910ヘクトパスカルと、伊勢湾台風の上陸時(929ヘクトパスカル)より強くなるという。 一方、水門が機能し満潮と干潮の中間潮位だった場合、浸水は55平方キロに抑えられるとの結果も出た。
米倉弘昌経団連会長は13日、緊急会見し、政府のエネルギー政策が2030年代に原発ゼロをめざす方針であることについて野田佳彦首相と同日午前、電話会談し「とてもじゃないが承服しかねる」と主張したことを明らかにした。 そのうえで「野田首相は立派な方だが、取り巻く閣僚方が選挙で右往左往している」と指摘。「政権を担当する与党は日本の将来がどうなるのか、経済の成長についてもっと真剣に考えてもらいたい」と強調した。 電話会談で米倉会長は「産業界は歴史的な円高のなかで空洞化を阻止し、雇用を維持するために必死にがんばっている。アンチビジネスな政策は止めていただきたい」と要望。「無理にゼロ政策を進めれば必ず電力価格が高騰し供給不安に陥る。原子力の安全を支える技術や人材の確保が困難になるし、日米関係を含む外交・安全保障も悪化する」と懸念を示した。 これに対し野田首相は「これから説明していきたい」と述べ、関係方面
4日のエネルギー・環境会議で、枝野幸男経済産業相は「原発ゼロ」の課題と克服策を提示したが、使用済み核燃料の処分や再生可能エネルギーの増設など簡単にはクリアできない壁がいくつも立ちはだかる。中長期のエネルギー・環境政策のとりまとめに向けて、政府・民主党は「原発ゼロ」にする方向で最終調整を進めているが、閣僚や民主党の議員にも温度差がみられる。 「機械的にこれをすれば解決するという話のものではない」。枝野経産相は4日の会見で、原発ゼロにした場合の使用済み核燃料問題について言葉を濁した。 使用済み核燃料問題は深刻な課題だ。青森県六ケ所村にある再処理工場には約2900トン使用済み核燃料が貯蔵されているが、六ケ所村と日本原燃が結んだ覚書では「再処理事業の確実な実施が著しく困難」となった場合、使用済み燃料を施設外に搬出すると定めている。 政府が原発ゼロを決めれば、再処理事業を進める必要はなくなり、燃料は
民主党のエネルギー・環境調査会の役員は4日午前の総会で、将来の原発依存度に関する党内の意見集約に向け、「原発ゼロ社会を目指す」としつつ、具体的な目標年限を見送った素案を提示した。党内論議を経て修正を加え、週内に最終案をまとめる方針。 素案は、原発は40間年の稼働で廃炉▽原子力規制委員会の安全確認を得た原発のみ再稼働▽建設中を除き原発の新設・増設はしない-の3原則を明記。この原則を厳守することで「2050年代前半には国内に稼働する原発はゼロとなる」とする一方、脱原発を求める世論の高まりを受けて「原発ゼロ社会を可能な限り早期に実現すべきである」とした。 原発ゼロに向けた今後3年間の重点対応や、使用済み核燃料問題に関する専門機関「原子力バックエンド機構」の設置、高速増即炉の実用化を前提としない対応を政府に提言する。火力発電への依存の高まりを受け、「国際社会に対する温室効果ガス削減計画は再検討する
経団連の夏季フォーラムで与野党の代表と政治に関する討議をする米倉弘昌会長(中央)ら=20日、長野県軽井沢町のホテル、早坂礼子撮影 経団連の夏季フォーラムは20日、長野県軽井沢町のホテルで「新しい日本の姿」をうたった議長総括を採択して閉幕した。会見した米倉弘昌会長は「エネルギー政策は政府の再生戦略と整合性を持たないといけない。省エネ目標も過度に楽観視しており、このままでは電力の供給不足が起こる。そら恐ろしい」と強調した。 エネルギー問題で「経済成長の足かせにならないよう今後3-5年の電力確保の道筋を明らかにする」ことを提言。同時に「中長期的には原発も含めたエネルギー源の多様な選択肢を保持すべき」とした。特に政府が示した2030年時点の原発依存度を「0%」「15%」「20-25%」とした3つの選択肢を「再構築すべき」と明記した。 政府や政治に対しては円高など企業の6重苦の解決に向けた政策の「決
エネルギーと環境の基本政策について国民の声を聞く政府主催の意見聴取会の運営方法が見直された。電力会社社員らが原発利用に関する考えを述べたことが批判されたためで、今後はこうした発言を認めないことにするという。 だが、意見聴取会は原発を含めて将来の最適な電源構成を検討する場であるはずだ。電力会社社員が自らの知見を生かし、原発の必要性を訴えることが、なぜ問題視されるのか。 野田佳彦政権は、エネルギーに関する多様な意見を封殺することがあってはならない。 政府のエネルギー・環境会議は平成42年の原発比率を「0%」「15%」「20~25%」とする3つの選択肢を示した。8月初旬まで全国11カ所で意見聴取会を開く。グループで議論する「討論型世論調査」を経て、来月末には新たなエネルギー政策を決める。 15日の仙台市と16日の名古屋市で開かれた聴取会では、電力会社社員が意見を述べた。「原発0%は(経済的に)破
経済産業省が平成21年度の税制改正で、エンジン排気量の大きさを中心に税額を決めている自動車税制を見直し、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を基準に税額を決める方式への変更を検討していることが23日、わかった。同様の仕組みは欧州各国が取り入れ始めており、地球温暖化を防ぐグリーン税制の目玉にしたい考えだ。しかし、これまで優遇されてきた軽自動車の税負担が大幅にアップするため、自動車メーカーなどの反発は避けられず、調整は難航しそうだ。 現行の自動車税は、排気量1リットル以下のリッターカーの自家用乗用車で年額2万9500円、最高の6リットル超で11万1000円など、排気量に応じて税額が定められている。排気量660cc以下の場合は税金が優遇される軽自動車税となるため、年額7200円に抑えられている。 経産省では地球温暖化対策の一環として、こうした自動車税制の見直しに着手する。1リット
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