2015年10月5日、米国のアトランタで開催された環太平洋パートナーシップ協定(TPP)閣僚会合において、TPP協定が大筋合意となった。あくまで大筋合意であり、今後最終合意と署名、参加各国における関連国内法の整備と議会承認、参加間の足並みがそろった段階での協定発効と踏むべきステップは多い。それでも近いうちに環太平洋地域において、12カ国からなる自由貿易圏が動き出すことは、ほぼ確実となった。 社会における情報の流通という観点から見ると、著作権保護期間が、現行の著作権者の死後50年から70年へと延長になることが大変大きな問題だ。 著作権保護期間にあるにもかかわらず、著作権者が不明になった著作物のことを「孤児著作物(Orphan Works)」という。孤児著作物は、利用しようにも現行の制度では合法的な利用ができない。現行制度のままででは、あまりに長い著作権保護期間により、孤児著作物が増える危険が