シャープは3月24日、三重工場(三重県多気町)でマスクの量産を開始した。元液晶工場のクリーンルームで作るマスクは政府が買い上げ、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが不足している施設などに配布する。 カラー液晶ディスプレーの生産拠点でマスク作り シャープの親会社である台湾、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴー)前会長の号令一下、中国子会社のフォックスコン(富士康)もマスクの量産を始めている。非常時における反射神経の良さは、日本企業も大いに学ぶべきだろう。 シャープがマスクを作る三重工場は、建設に約400億円をかけて1995年から操業しているカラー液晶ディスプレーの生産拠点だ。パソコン、ワープロなどに使われ始めたTFT(薄膜トランジスタ)方式のカラー大型液晶ディスプレーを生産していた。シャープの液晶事業は三重工場と天理工場(奈良県天理市)で始まり、液晶テレビ「アクオス」の大ヒットを