太陽が沈むと、芯から冷えるような寒さと静寂が町を包む。年の瀬が迫った15日、宮城県女川町の一角に住民約40人が暖炉の火を囲んで集まっていた。午後5時、カウントダウンの後で約5万個の青色や白色のLED電球が一斉に光り出すと、歓声とともに、闇の中に仮設商店街の輪郭が浮かび上がった。 女川港から約1キロ離れた小高い土地に仮設の「コンテナ村商店街」が誕生したのは、東日本大震災から約4カ月後の平成23年7月1日。町商工会青年部が中心となって声をかけ、津波で店を失った店主が幅6メートル、奥行き2メートルの小さな11個のコンテナで店を再開した。飲食店や花屋、電器屋など8店舗が営業を続ける。 そのコンテナ村に、最後の冬が来た。商店街の敷地は宅地となるため来年借地期限を迎え、各店舗はJR女川駅前や高台などに移転するためだ。24年から始め、冬の恒例イベントとなっていた商店街のイルミネーションも、来年1月15日