九州国立博物館開館15周年・大宰府史跡指定100年を記念し、特集展示「筑紫の神と仏」を開催いたします。本展は九州国立博物館が平成17年(2005)の開館以来実施してきた、大宰府学研究事業の成果をひろく発信するものです。 大宰府は「 遠 とお の 朝廷 みかど 」として九州全域を統括するとともに、対外交流の窓口として地方最大の都市機構を備えていました。都市では唐・新羅へと渡る遣唐使や遣新羅使、海外から渡航してきた使節団や商人等、多くの人々が行き交い、「天下之一都会」と称される繁栄を謳歌しました。その一方で、大宰府は「 藤原広嗣 ふじわらのひろつぐ の乱」をはじめとする政争の舞台にもなり、国外から伝染してきた「 天然痘 てんねんとう 」等の病魔も猛威をふるいました。繁栄の陰で、深刻な社会不安も人々の傍らに常に控えていたのです。これらの不安に対し、古代の人々は神や仏に祈りを捧げ、平穏な暮らしを願