ホンダは,利用者の体重の一部を支え,脚にかかる負担を軽減する「体重支持型歩行アシスト」を試作,動作デモをはじめて披露した(発表資料)(図1)。歩行や階段の昇降,中腰になるなど,脚の筋肉や関節に負担のかかる作業での利用を想定する。「電動アシスト自転車のように手軽に使えるようにしたい」(同社)という。
溶液プロセスで透明導電膜を形成する技術を手掛ける米国ベンチャー企業のCambrios Technologies Corp.は,少ない工程数で細かい配線パターンを形成できる技術を開発した。「Patternable Transfer Layer Process」と名付けた今回の技術は,あらかじめ基板上に作り込んだ透明導電膜を他の基板上に移し替えると同時にパターン形成してしまうというもの。基板への移し替えとパターン形成の過程でリソグラフィを使うものの,フォトレジストは使わず,パターンをエッチングする必要もない。「2009年に実用化したい」(同社 Vice President,Business DevelopmentのHash Pakbaz氏)という。
開発した素子を見るZhong Lin Wang氏。(写真:Georgia Tech Photo: Gary Meek) 米Georgia Institute of Technology(Georgia工科大)は,酸化亜鉛(ZnO)のナノワイヤを用いた交流発電する素子「フレキシブル・チャージ・ポンプ」を開発したと発表した。論文は2008年11月9日付けの「Nature Nanotechnology」のAdvanced Online版に掲載された。 この素子は,環境にある振動によって素子1個で最大45mVの起電力を発生させることができるという。複数の素子を直列につなぐなどすればより高い電圧を確保できる。服や靴,旗などに織り込んでの発電が見込めるほか,体内で血圧の測定などにも利用できる見通しという。 同素子を開発したのは,ZnOナノワイヤの圧電効果を研究しているGeorgia工科大のProfes
韓国Samsung SDI Co.,Ltd.は,厚さが0.05mmと薄い4型の有機ELパネルを展示した。展示ブースでは,二つの試作品を空中に吊り,そこに扇風機で風を当ててディスプレイがパタパタと動く姿を見せていた。同社はこれを「Flapping Display(はためくディスプレイ)」と名付ける。
佐々木化学薬品(本社京都市)は,乾燥剤の機能を持つ樹脂ペレット「エスキッド」を2008年11月7日に発売する(図1)。主にポリオレフィン樹脂に吸湿性無機フィラーをコンパウンドし,乾燥剤の機能を付与したもの。射出成形や押出成形,ブロー成形,インフレーション成形により,ボトルやシート,フィルムといった形態に加工できる(図2)。 市販品の乾燥剤の多くは固形で,副資材として製品に同梱される。この場合,誤飲の恐れがあるほか,同梱や検品に手間がかかる,容器包装内に乾燥剤用の空間を設けたり容器包装に合わせて形状を選んだりしなければならない,といった課題がある。それに対して新製品は,形状や大きさを問わないのが利点だ。成形品を現行のラインに組み込めるので,乾燥剤の投入や検品作業が不要となり,省力化やコスト低減を図れる。 吸湿剤1g当たり1gの湿気を吸収する。吸湿剤を30%含有したペレットでは,10g当たり3
英国におけるプラスチック・エレクトロニクス開発の取り組みについて,UK Displays & Lighting Knowledge Transfer Network,DirectorのChris Williams氏が東京ビッグサイトで開催中の「オルガテクノ2008」(2008年10月28~29日)で講演した。同氏によれば,有機エレクトロニクスやプリンタブル・エレクトロニクス,フレキシブル・ディスプレイを包含するプラスチック・エレクトロニクスの応用範囲は広く,RFIDやセンサなどから衣服や医療,食品のパッケージなど,さまざまな分野で展開が可能という。各分野の潜在的な市場規模は1000万~100億米ドルもあり,今後,10~15年後には各分野を合計したプラスチック・エレクトロニクス市場は1000億米ドルを超える規模に成長する可能性があるとみる。
電子技術の進歩により、カメラの小型化、低コスト化が進展し、クルマに多くのカメラが搭載され始めている。こうした車載カメラ・システムは、ただ単に視覚情報を提供して危険な情報をドライバーに提供するのにとどまらない。画像認識技術と組み合わせて危険が迫っていることを運転者に警告する、危険を回避できないとクルマ自身が判断した場合にはブレーキ操作を自動で行うなど、クルマそのものを制御するところまで進化している。 自動車メーカーが車載カメラを使った画像認識技術の導入を積極的に進める背景には、「事故を起こさないクルマの実現」、「交通事故死ゼロ」といった究極の目標がある。近年、交通事故における死亡者の数は減少傾向にある。直近のピークだった1992年の1万1451人から2007年には5744人と半減している。その一方で、事故の発生件数は80万件を超えており、依然高いレベルにある。事故類型別では追突事故と出会い頭
北海道大学と日立製作所は,半導体検出器を用いたヒト用のポジトロン断層撮影(PET)技術を開発した。半導体検出器を用いた小動物用のPETは,これまで存在していたが,「ヒト用は世界初」(日立製作所)。既に,開発した技術を利用して,腫瘍をはじめとするヒトの診断画像の撮影に成功しているという。現在は研究開発段階であり,「あと7年の間に実用化を目指す」(同社)考えである。 半導体検出器を用いる利点は,取得する診断画像の分解能が高まること。今回の技術では,空間分解能3mmの識別が可能という。 従来のヒト用PETは,半導体検出器ではなく,シンチレータと呼ぶ結晶と,光電子増倍管と呼ぶ増幅器で,薬剤から放出されるガンマ線を電気信号に変換していた。「間接的に電気信号に変換する方式であるため,分解能に限界があり,空間分解能は6~10mm程度だった」(日立製作所)。 今回のヒト用PETに採用した半導体検出器は,C
日立製作所の中央研究所(東京都国分寺市)はオフィス内の社員の仕事状況を可視化して業務改善に役立てる「ビジネス顕微鏡」の研究・開発を加速している。2007年から、大阪ガスやドイツの銀行など様々な企業オフィスで実証実験を開始。2008年にはコクヨオフィスシステム(東京都千代田区)などと提携し、さらに幅広いオフィスで検証を始めた。 ビジネス顕微鏡はオフィスの各社員が装着するセンサー付きの名札と、ここから随時得られる情報を格納するデータセンターで構成される。名札には、集音用のマイク、温度計、照度計など様々なセンサーと、データセンターへ情報を発信するための無線機が付いている。「特に赤外線センサーと加速度センサーを重視している」(矢野和男・主管研究長)という。 赤外線センサーでは誰と誰がコミュニケーションしているかを検知する。例えばAさんとBさんが向かい合ったり近くにいたりする時は、AさんとBさんの名
日立製作所は,自動車におけるステアリングの舵角に応じて制動力を制御する手法を開発し,効果を検証したと発表した。開発した制御手法を自動車に適用すれば,熟練した運転者の運転を誰でも簡単に実現できるという。適切な減速が実現できるため,半径20mのカーブにおいて,安全に走行できるカーブへの進入速度が50km/hから70km/hに高まるといった効果が得られたとする。同社はこの技術を,操舵や制動などを電気的な機構で実現するX-By-Wireに適用することを狙う。「5年後に実用化したい」(日立製作所)という。
東レは,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使い自動車向けのプラットフォーム(前部フロア)を10分以内に成形する技術を確立し,前部フロアの試作品を公開した。プラットフォームに限らず,構造部品全般に適用できるという。今後は,材料や成形法の改善を進め,サイクルタイムを5分以内に縮めることを目指す。 同技術は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「省エネルギー技術開発プログラム『自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」において,東レが日産自動車と協力して開発したもの。2005年の中間評価時点では,ドア・インナーパネルの成形に成功していた。前部フロアは,ドア・インナーパネルよりもはるかに形状が複雑である。この前部フロアを成形できたことから「構造部品全般に(同技術を)適用できるメドが付いた」(東レコンポジット開発センター所長の関戸俊英氏)。
鋼鉄より500倍強く10倍軽量な素材「バッキーペーパー」、商業生産が射程に 2008年10月21日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Brian X. Chen Photo: Wikipedia 近い将来、ガジェットや飛行機、自動車はより強く軽くなり、エネルギー効率も向上するだろう――素材科学者たちが偶然に発見した「バッキーペーパー」によって。 バッキーペーパーは、薄さが人間の頭髪の5万分の1以下のカーボンナノチューブ分子からなるもので、[銅やシリコンのように]電気を通し、[鉄や真鍮のように]熱を拡散させるユニークな性質を持つ。 [積み重ねて圧力をかけることで複合素材を作ると、]鋼鉄に比べて強度は500倍、軽さは10倍になるというこの物質については、持てる可能性を最大限に活かすような方法がまだ開発されていない。しかしAP通信の記事によると、フロリダ州立大学の研究
セイコーエプソンは,この8月に開発発表した高解像度の3D液晶ディスプレイを「FPD International 2008」(10月29日~31日,パシフィコ横浜)で一般公開する。「8視点方式」を採用し,広範囲において視点に合わせた画像を表示することで,立体感やリアリティを高めている。 今回使用した液晶パネルの画面サイズは2.57型,画素数はXGA(1028×768画素)。高精細化が容易な低温多結晶Si-TFT技術を使うことで,約500ppiの超高精細を実現した。3Dディスプレイとしての1視点当たりの画素数は,一般的な携帯電話機やPDAに採用されているQVGA(320×240画素)と同程度の384×256である。 通常,多視点ディスプレイの場合,視点の増加に伴って1視点当たりの解像度は減少してしまう。エプソンは今回,画素の配列を工夫することで“見た目”の画質劣化を抑えた。8視点方式でありなが
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