特集 : 「古典籍資料の最前線」の編集にあたって くずし字で書かれた『源氏物語』,刊行年が江戸時代の『南総里見八犬伝』,巻子本の『百鬼夜行図』,豪華絢爛な貼交屏風...このような古く貴重な資料は博物館のショーケースの中でしか見られないものでしょうか。一部はそうかもしれませんが,じつは多くの図書館にも様々な古典籍資料が所蔵され,利用されています。 しかし古典籍資料は現代の新刊書とは異なり,同じ作品であっても内容や書名に相違がある,文字の解読そのものが難しい,古く貴重なものであるため取り扱いに十分な注意を要するといった特徴があり,蔵書の中でも特別なコレクションとして位置づけられていることが多いように思えます。そして多くの図書館等の方は,このような古典籍資料の整理,サービスにどう関わるべきか日々悩まれているのではないでしょうか。 一方,昨今は様々な資料のデジタル化が進んでおり,古典籍資料も例外で
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