「図書館界」63(6)(2012/3)掲載 近頃、MLA(Museum, Library, Archives)連携を巡る議論がかまびすしい。こうした状況の背景には、連携の基盤としての資料のデジタル化やネットワーク化の一層の進展とともに、財政緊縮に伴う運営面からの危機感もあろう。ではそうした中、MLA連携とはいったい何を行うことを指すのだろうか、そして連携の先にはどのような像が結ばれるのだろうか。近年、主なものだけでも数冊のMLA連携を扱った図書が出版されているが、本書はその中でMLA連携を一つの切り口とした政策提言の書として読むことができる。 ここで本書の構成を紹介する。まず、青柳正規(国立西洋美術館長)、高山正也(国立公文書館長)、長尾真(国立国会図書館長)の三氏による各組織のトップの視点と立場からMLA連携のあり方を語る鼎談を第1部に置く。続く第2部と第3部では、総勢11名の著者による
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