温州ミカンの産地で知られる静岡県浜松市北区三ケ日地区で、3月から14件の不審火が発生している。被害に遭ったのはミカン農家ばかりで、細江署は連続放火の可能性もあるとみて調べている。農機具小屋やミカンの木が焼けており、生産に大きな打撃を受けたという農家は少なくない。 「誰が火をつけただ……」。被害にあった三ケ日町只木の70代女性はため息をついた。 7月26日午後10時15分ごろ、夫が所有する農機具小屋2棟から出火しているのが見つかり、計約85平方メートルが全焼した。国道から車が1台やっと通れるほどの細い山道を上ると、小屋の跡がある。あたり一面ミカン畑。街灯はほぼなく、夜は真っ暗だ。家畜の牛の気配がするだけで、昼間も人気はほとんどない。 小屋の中には、トラック1台に農薬、ミカンの貯蔵箱、タンクなど、仕事に欠かせない道具の大半が入っていた。 「こんな小屋が焼かれるとは思ってもいなかったので、保険も