西湖で今年捕獲され、クニマスと確認された魚の標本=京都市の京都大学総合博物館、山本写す西湖でみつかったクニマスとさかなクン=9月、中山写すクニマスの標本を持つ中坊教授=京都大学、山本智之撮影 環境省のレッドリストで「絶滅」扱いになっている日本固有の魚クニマスが、山梨県内の湖で生き残っていたことが、京都大学の中坊徹次教授らのグループの調査で分かった。生息の確認は約70年ぶり。国のレッドリストで絶滅種に指定された魚が再発見されたのは初めて。環境省は今後、レッドリストの記述を見直す方針だ。 クニマスはもともと、秋田県の田沢湖にのみ生息する固有種で、成長すると全長30センチほどになる淡水魚。食用魚として漁業の対象にもなっていた。だが、1940年以降、発電などのための導水工事で田沢湖に酸性の水が入り、まもなく死滅。地球上から姿を消したと考えられていた。 クニマスの生息が確認されたのは富士山