サウジアラビアなど中東湾岸産油国が、近年の潤沢な資源収入をもとに、官民挙げてアジアやアフリカなどの農地の確保に積極的に乗り出している。国内ではなく海外で農業事業を展開しよう、というのである。 1970年代の石油ブームの時、中東湾岸産油国は得られた潤沢なマネーを、欧米の不動産などに投資していた。だが今は、貴重な資源収入を、国家の将来の持続的成長に投資する戦略を打ち出している。 各国は、国内の雇用創出のための教育・職業訓練、インフラ整備に加え、国家の持続的成長のために最も重要なのが、食糧保障だと位置づけているためだ。 「農業海外投資基金」も設立 例えば2008年6月サウジアラビア農業副大臣は英フィナンシャル・タイムズ紙の取材に対して、「小麦、とうもろこし、米、大豆、家畜用飼料のアルファルファを栽培するため、海外の農地を確保し栽培する計画だ」と語った。続いて、11月23日、サウジアラビア農業大臣