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ブックマーク / kenmogi.cocolog-nifty.com (4)

  • 奇跡のリンゴ 茂木健一郎 クオリア日記

    『プロフェッショナル』のゲストにいらした 木村秋則さんの人生は、 ドラマティックで感動的な ものだった。 こんなことが当にあるのか、というくらい。 農薬散布でご自身や奥さんの皮膚が やられたことをきっかけに、 不可能と言われた無農薬によるりんご作り に挑戦して、8年間、りんごが出来ない どん底の時代を経験する。 その間、キャバレーの呼び込みの仕事をしたり、 東京に出稼ぎで出てきて、山谷でホームレスを したりする。 収入がないので、子どもたちにロクにものを 買ってやれない。一つの消しゴムを三人姉妹で 切って使うような生活。 もうこれまで、死を覚悟し、とロープを持って岩木山に 登っていく。 月がきれいだなあ、見下ろす夜景が美しいなあ と思う。 突然、リンゴの木が眼に入ってくる。 なぜこんなところにリンゴの木が、と 駆け寄ってみると、それは良く似たドングリの木だった。 それで気がついた。山の中

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 正体不明

    後輩たちに時々 アドヴァイスするのは、 「自分の正体をそう簡単に明かすな」 ということ。 ある程度認知されて、マーケットから 求められるようになった時に危機が 訪れる。 「お前は、何ものか、明かせ」 という圧力がやってくる。 しかし、「プロクルステスのベッド」 に屈してはならないのだ。 生まれたばかりの赤ん坊は、 何ものになるかまだわからない。 しかし、だからこそ、 爆発的な発展のエネルギーに満ちている。 自分自身でも、正体がわかった、 お前はこんなもんだよ、などと 簡単に思うな。 自分が何ものかわからない、 どこに運ばれているかわからない 時にこそ、人は最大限のことを 成し遂げつつある。 人生の「星時間」を生きている。 手塚治虫さんのことについて 少しお話する機会があった。 手塚さんは、まさに、何ものなのか 正体がそう簡単にはわからない 巨大な磁場である。 だからこそ、多くの人がそこへと

  • 茂木健一郎 クオリア日記: emergence

    論理的に指し示されるのでは ない方向性について、 自分がどのように判断するか という点に、その人が 一番現れるのだと思う。 「感性を磨く」とひとことで 言うが、それは、海図のない 大海原を闇雲に行くヨットに 似ている。 地球上の表面はくまなく 探検し尽くされてしまったが、 精神の宇宙の中には まだまだ手つかずで多くの 暗黒大陸が残されているのだ。 飛行機が羽田にストンと 降りて目が覚めた。 東京工業大学すずかけ台 キャンパスへ。 長津田で遅い朝を とる。 日経サイエンス編集部にて、 京都大学の川合光さんと 超ひも理論のお話をする。 CERNで建築中のLHCで ヒッグス粒子が見つかれば、 標準模型が事実上完成され、 未知の物理現象が発見される ということはもはやほぼ期待 されない「砂漠」が広がると 川合さん。 「アンダーソン局在」 で知られる物理学者のフィリップ・ アンダーソンは、あるシス

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 天上の音楽

    アインシュタインは、教授から 「なまけもの」と決めつけられて 大学に残ることができず、 ベルンの特許局で働いていた。 その時に、「街の発明家」たちの 混乱した申請書を読んで、 アイデアの質を整理する のがたいへん良い知的訓練に なったと述懐している。 一日中関根崇泰の論文を 読みながらあれこれと 整理をしていて、 アインシュタインのことを 思い出した。 関根は身体の感覚について 研究をしていて、 その実験はとても面白いのだが、 生来理論志向というか、理屈っぽい 性行をもっていて、その書くものを empirical scienceへと着地 させるのに少々手こずる。 でも、せっかく素晴らしい原石が そこにあるんだから、 なんとか磨き上げて 価値の高いものにしたいと、 四苦八苦する。 なるほど、私にとっての 『パテント・オフィス』 はここにあった。 TBS『はなまるマーケット』 でお話しする。

    topo-gigio
    topo-gigio 2008/02/15
    天上の音楽、いい表現♪
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