東京電力福島第一原子力発電所で4日から低濃度の汚染水の放出が始まったことで、地元の漁業関係者らからは5日、「止めてもらいたい」などと怒りや戸惑いの声が上がった。 地元の福島県漁業協同組合連合会の新妻芳弘専務理事(58)は5日朝、読売新聞の取材に対し「健康に影響はないとする東電の説明に疑問がある。原発事故後から県内全域で漁を控えており、補償も合わせて求めていく」と話した。 同連合会は4日付で、東電の清水正孝社長宛てに「二度と漁業をできないのではないかと漁業者は不安を募らせている。低レベルといえども汚染水。絶対に止めてもらいたい」との抗議文をファクスで送付した。 福島県も5日午前の災害対策本部の会議で、経済産業省原子力安全・保安院に対し、〈1〉国の責任で継続的な汚染の監視を強化する〈2〉生物や人体への影響評価を定期的に公表する――の2点を求めることを決めた。 また、同原発から南へ約140キロ離