千葉県南房総市の採石場で見つかった鉱物が、内部にメタンなど炭化水素を取り込んだ新鉱物であることが分かり、「千葉石(ちばせき)」と命名された。 16日付科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に発表された。 千葉石は、ケイ素、酸素などでできた無色透明の結晶(直径1〜5ミリ)。2007年に千葉県内のアマチュア研究家が発見、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)などで分析したところ、新鉱物と判明した。深海底で見つかるメタンハイドレートのように、かご状構造の内部にメタンなど4種類の炭化水素分子が閉じこめられている。採取現場は、海側のプレート(岩板)が陸側プレートの下に沈み込む際、はがれた堆積物がたまった地層。 同機構量子ビームセンターの門馬綱一研究員は「炭化水素を効率的に取り出せれば、資源としての利用が期待できる。地球規模で炭素がどう循環しているかの解明にもつながる」と話している。