山形県河北町の西里小3年、庄司ひよりさん(9)と黒田美緒さん(9)は2月16日、学校からの帰り道に、ふと足を止めた。聞いたことがない、くぐもった声がする。 「誰か、助けてけろ!」。声が聞こえる辺りに雪の塊があり、人の太ももだけがちらりと見えた。「男の人だ」。手で雪を掘って助けたかったが、冷たくて、硬かった。 すぐ後ろを、同級生の後藤健人君(9)が歩いていた。つい最近、近所の人が雪かきで具合が悪くなったのを知っていた健人君。「また雪の事故だ」と、ピンと来た。近くに住むおじいちゃんを呼びに走った。 5年生の皆川安里紗さん(11)と庄司七海さん(11)も異変に気付き、とっさに近くにあったスコップをつかんだ。 生き埋めになった男性の話し声がだんだん小さくなった。「早く助けないと」。みんな、心臓が高鳴り、どきどきした。駆け付けた健人君のおじいちゃんと一緒に、夢中で雪を掘った。 小学生5人の