大阪都構想の賛否をめぐる住民投票の前日、安倍晋三首相が関西入りした。首相の応援を狙ったのは賛成・反対双方の陣営だった 大阪都構想の決戦前日、最後の切り札をめぐり水面下で激しい攻防が起きていた。住民投票を翌日に控えた16日、都構想に一定の理解を示していたとされる安倍晋三首相が公務の移動で大阪のターミナル駅に立ち寄った。都構想反対の自民党大阪府連は首相が大阪維新の会幹部と接触して賛成が勢いづくことを警戒し、維新側には首相との遭遇という好機をうかがう動きがあった。微妙な時期だけに憶測を呼んだものの、結局、大阪を素通りした首相。関係者が「勝負を左右した」と振り返る神経戦を再現する。 16日午後1時ごろ、大阪市中央区の南海電鉄難波駅。特急電車がとまるホームには人だかりができていた。「安倍さーん」と歓声が飛び、特急の車窓からは首相が笑顔をのぞかせ手を振っていた。 そんな駅周辺には自民府連関係者の姿があ