cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
アメリカの人気テレビドラマ『glee』でひときわ印象的な場面がある。将来ブロードウェイ・スターになると公言し、glee部(合唱部)でも堂々リードボーカルをとるヒロイン・レイチェルが、純朴ハンサムジョック(体育会系)のフィンを巡って、学校一の美人でチアリーダーのクィンと争う場面だ。 クィンはレイチェルを「フィンのことは諦めなさい、あなた都会に出てスターになるんでしょ。あなたには才能があるじゃない、キャリアと男、二つを同時に得るなんてできないのよ。一つを手に入れたら片方は諦めなきゃいけないの」と説得しようとする。 このクィンを演じる女優が、HKT48の新曲『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の中で歌われているダイアナ・アグロンである。 「アインシュタインよりディアナ・アグロン テストの点以上 瞳(め)の大きさが気になる どんなに勉強できても 愛されなきゃ意味がない スカートをひらひらとさ
今日はBABYMETALの話。ニューアルバムの『METAL RESISTANCE』がいよいよすごいことになってきている。 聴いた瞬間「名盤!」と直感するクオリティだったけれど、おそらく今年を代表する一枚になると思います。今出てる『ミュージック・マガジン』にはここに至るまでの道程を解説した原稿を書きました。 ミュージックマガジン 2016年 04 月号 出版社/メーカー: ミュージックマガジン 発売日: 2016/03/19 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る が、ここで書くのはそこからの話。 www.asahi.com ニュースにもなっていた。アメリカのビルボード・アルバム・チャートで39位。ハード・ロック部門では2位、ロック部門では5位になっている。日本人アーティストがトップ40位以内に入ったのは「坂本九以来の快挙」だという。 各国チャートの結果はこんな感じ。 日本
佐々木敦 @sasakiatsushi 朝起きたら少し減ってましたが泣、本日です! ゲンロンカフェにて柴那典氏、南波一海氏との『ニッポンの音楽』鼎談。拙著を足掛かりに、いま最も活躍している音楽ライターのお二人とニッポンの音楽の過去現在未来を語り尽くします。まだ入れますよ! peatix.com/event/69179 2015-02-04 12:18:43 柴 那典@新刊『平成のヒット曲』発売 @shiba710 こちらは僕も出ますが、たぶんヒットチャートどうこうというより、2015年のJ-POPの「ウチと外」の話になると思います。ベビメタとかセカオワとか。「J-POP IS OVER?――佐々木敦『ニッポンの音楽』刊行記念イベント」 ptix.co/1APyRlc 2015-01-29 00:22:39
坂本九が最初で最後の人だった。1963年、東京が夏季オリンピックを開催する前年のこと。真珠のように輝く歯をしたクルーナーが、陽気な歌『上を向いて歩こう』(欧米では『スキヤキ』という曲名で知られている)を引っさげて、全米ランキング100のトップに躍り出た。今日にいたるまで、アメリカで1位を記録した唯一の日本人アーティストだ。故に、今年の初めに日本人の女子高生トリオがビルボード200のアルバムチャートで187位になったときも、それほど大した偉業とは見受けられなかっただろう。だが、いやいやどうして、BABYMETALの近頃の成功ぶりは尋常ではない。考えてみてほしい。過去30年間、ビルボード200にチャート入りを果たした日本のアーティストはたった5組。そしてそのうちのひとりは、あのおぞましいニューエイジ野郎の喜多郎だ。とはいえ、ほかの日本人ミュージシャンがまったく無名というわけではない。スパイナル
東京女子流の「いま」をどう捉えるか 司会者「6月4日に東京女子流のニューアルバム『Killing Me Softly』が発売になりました」 レジー「正直全く期待してなかったんだけどすごい良かった」 司会者「女子流からはちょっと気持ちが離れてますよね最近」 レジー「去年のTIFの記事でも書いたけど何かやってることがピンとこなくてね。最初2枚のアルバムがかなりしっくりきてたので余計に」 司会者「Jが作った曲以降もシングルが結構出てましたが」 レジー「小出さんのやつとかも意外とのれなかったんだよなあ。イントロのキャッチーさがなぜサビまで持続されないのか?とかいろいろ思ってて。アルバムもどうなんだろうなあと思いつつ、でも野音のライブもあるし一応買っとくかくらいの気持ちで半ば義務的に購入したんだけど」 司会者「なんかひどい」 レジー「でもこれがほんとに良かったんだよ。最初聴いたときに地味で食い足りな
ライター・物語評論家のさやわか氏が、自身三冊目の単著となる『一〇年代文化論』を、4月24日に上梓した。『一〇年代文化論』は、「次の10年のコアとなるものは、その直前にある」という見立てのもと、2007年頃のカルチャーの変化に目を向けることによって、現段階で2010年代のカルチャーの本質を捉えようとする意欲的な書物だ。「残念」という言葉の意味の移り変わりから、アイドルやライトノベルのあり方の変化を鋭く評した本書は、10年代の音楽シーンを語る上でも示唆に富む内容となっている。そこで当サイトでは、特に音楽シーンにおける10年代の変化について、表現方法やその内容、評価のあり方といった側面から分析してもらうとともに、同氏の書き手としてのスタンスや方法論まで詳しく聞いた。 「残念」なものが、世の中で大事だと思われるように変わった ――本書では「残念」という言葉の意味合いが、2007年頃からポジティブな
今年デビュー30周年を迎えた菊池桃子が、音楽活動を精力的に展開している。4月30日には『Miroir -鏡の向こう側に-』以来23年ぶりに新作アルバム『青春ラブレター ~30th Celebration Best~』を発売、最新オリコンアルバムチャートで初登場20位にランクインした。同アルバムには菊池桃子が16~18歳までにリリースした全シングル9曲に加え、ファンからの人気も高い1stアルバム『OCEAN SIDE』より「OCEAN SIDE」を収録。これら10曲は、新たなアレンジを施し再録音されたものだ。さらに作詞を鈴木おさむ、作曲をつんく♂が担当した新曲「青春ラブレター」も収録されている。 また、アルバム発売にともない、27年ぶりに単独ソロコンサートの開催も決定。鈴木おさむが演出を担当するこのコンサートは、5月24日(土)、25日(日)の両日夜の公演はすでにチケットが完売、ファンからの
http://www.ro69.jp/publish/japan/index.html 当エントリは全て私の過剰な思い込みによる曲解です。 (「曲解」と書きましたが、語弊が生じていますので「極私的な解釈」と読み替えてください。) また、J-CASTのニュース記事、およびJ-CASTをソースにした各種ニュースサイトの配信は、「原典(Rockin'on JAPAN掲載のインタビュー)に基づかないものであること」、一ファンの曲解を取り上げたに過ぎないということ、西脇さんの意図する発言ではないことを十分認識願います。 既にニュースソースの元になり魚拓も取られています。いまさらこの記事を削除しても遅いでしょう。むしろ客観的なコメントもいただいておりますし、ニュース記事が、一ファンの曲解をソースにしたものであり、西脇さんの意図する発言でないことを確認してもらうためにも、今はあえて削除しません。企業のニ
2011年03月06日 ジャニーズ・ヒップホップの2つの水脈――アメリカナイゼーションとオリエンタリズム 「夜のプロトコル番外編 黒人音楽として見るジャニーズ、及びK-POP」では、ヒップホップ・ファン(というか歌唱法としてのラップ好き)として、ジャニーズにおけるヒップホップ受容についてプレゼンしたいと思っています。 * ジャニーズにおけるラップ/ヒップホップと言えば、いまや嵐≒さくラップとしてかなり認知されていると思うが、その水脈は日本にヒップホップが本格的に輸入された80年代なかば〜後半から、断片的にだがちゃんと流れている。 ジャニーズにおいて、最初に意識的にヒップホップを試みたのは少年隊「ガ・ガ・ガ」(87)だろう。このタイトル自体が、曲中の「ガ、ガ、ガラスの〜」とスクラッチを意識したリリックから取られているものだが、サウンドはと言えばハービー・ハンコックがヒップホップに傾倒して作っ
Perfumeの2年ぶりとなるオリジナルアルバム『LEVEL3』は、EDMへと大胆に振り切った方向性、つまり「洋楽のような」音作りで話題になっている。こうした楽曲は日本ではマニアックで一般に受け入れられにくいものだとされており、Perfumeの楽曲をプロデュースし続けている中田ヤスタカが、いい意味で「思い切った」アルバムを作ってのけた、という意見が見られるようだ。そしてそんなアルバムが初週16.5万枚を超すヒットを記録したことにも驚きの声がある。 しかし、この「まるで洋楽」みたいな紋切り型のホメ言葉というのは、実に退屈である。なぜなら、そうした文句というのは邦楽が国際的に異端であるという前提に立って語られるものである。そして土着の芸能界システムと渾然一体となった日本のヒットチャートに、「まるで洋楽」のような際だった音楽を送り込むことは挑戦的であり、啓蒙的ですらあるというわけだ。しかしつまり
Car Seat Headrest - "Beach Life in Death" BiS-Kaidan is a cross-generational coup de pop, uniting two acts from opposing ends of Japan’s musical spectrum. BiS (short for Brand-New Idol Society) are representatives of Japan’s “idol” scene, a culture of singer-dancer-celebs who define the country’s pop mainstream. Hijokaidan is an infamous art-noise improv troupe dating back to the late ’70s, famous
AKB48「恋するフォーチュンクッキー」についての人々の感想 (田中宗一郎、近田春夫、宇川直宏、桑田佳祐、加藤ひさし、後藤正文、宇多丸、西寺郷太、マキシマムザ亮君、小出祐介、増子直純、ナカヤマシンペイ、tofubeats、SAWA、芹澤優真、松永天馬、花くまゆうさく、ダイノジ大谷、吉田豪、コンバットREC、高橋芳朗、磯部涼、リサ(バニラビーンズ)、小林よしのり、中森明夫、宇野常寛 etc.)
kenzee「前回、櫻井翔ソロ曲「HIP POP BOOGIE」を聴いていただきました。あのリリックのスゴイところはまったく従来の「ストリートの論理」が通用しない「ジャニーズアイドル」という立場を見事に逆手にとった姿勢なのだ。 大卒のアイドルがタイトルを奪い取る マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る HIP HIP POP BEAT YO ステージ上終身雇用 これは慶応幼稚舎からエスカレーター人生を歩んできたボンボン櫻井にしか書けないパンチラインだ。「マイク一本で夢をつかむ」という陳腐な物語を見事に相対化し、オルタナティブの設定に成功している。 What's Goin' On なにか違うと思わないかい? あんな大の大人が罵り合い大会なんてぼくらは見たくないんだい こうなりゃもう、おう咲き乱れる 本業の方々顔しかめる(櫻井翔「HIP POP BOOGIE」2008年) これはおそらく日本のヒ
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