すでに歴史化された日本美術と、同時代の作家が生み出す現代美術。その両方がつながり、反響し、交歓する展示室のなんと楽しいことか。千葉市美術館で10月2日より「福田美蘭展 千葉市美コレクション遊覧」が始まった。 福田美蘭は1963年生まれ。東京藝術大学を卒業後、主に具象絵画を対象とする安井賞を最年少で受賞するなど、国内外で活躍してきた。東西の名画を題材に、それらに改変を加えることで新たな視点を提示する作品で知られ、2001年には世田谷美術館、2013年には東京都美術館で個展を開催。約10年ぶりの大規模個展となる本展は、千葉市美術館のコレクションとのコラボレーションによって、絵画の新たな可能性に挑戦するものだ。 会場風景より、福田美蘭《風俗三十二相 けむさう 享和年間内室之風俗》(2020) 本展には福田の作品38点が出品されるが、そのなかで新作は17点。うち16点は千葉市美術館のコレクションか