15年振りの新作『ロックブッダ』(2018年)で復活を遂げた孤高のシンガー・ソングライター、国府達矢。それから1年という短い期間で、2枚の新作が届けられる。『スラップスティックメロディ』『音の門』はどちらも宅録で、『ロックブッダ』とは違ったサウンドを展開。それでいて、この3作は繋がっていて、あわせて聴くことでそれぞれの作品は奥行きを増すという。身も心もボロボロになっても、音楽を作るということを宿命づけられた男を突き動かすものは何なのか。いま、暗闇を抜けて光に向かって歩き始めた国府に話を訊いた。 死に向かっていくなかで、最後の執着が“青の世界”だった ――今回の2枚のアルバムは『ロックブッダ』制作中に生まれたそうですね。その背景について教えてください。 「『ロックブッダ』の制作の長期化とプライヴェートで起こった最悪の事柄のコビネーションのせいで鬱になって、3年くらい廃人みたいになって過ごして