クルド人自治区と隣接するトルコ国境で合同軍事演習を行ったイラク軍とトルコ軍(2017年9月26日) Umit Bektas- REUTERS <歴史的な住民投票で圧倒的多数が独立に賛成したクルド自治区と、周辺国のクルド人を待つのは再度の虐殺か> イラクの少数民族クルド人は9月25日の歴史的な住民投票で、圧倒的多数でイラクからの独立に賛成した。だが住民投票実施には、イラク政府だけでなく周辺国がそろって反発しており、14年以上戦争が続くイラクの安定に悪影響を及ぼしかねない。 今回の住民投票は、イラク北部のクルド自治区に居住する有権者が投票し、賛成票は92.73%に達した。自治政府で事実上の大統領を務めるマスード・バルザニ議長は独立賛成派の勝利を宣言し、クルド人が昔から居住するイラク北部と、イラン、シリア、トルコにまたがる地域に暮らすクルド人の自治権獲得を宣言した。だがイラクも他の3カ国も、クル
シリア情勢 2017年02月09日 11:16 シリアトルコ シリア情勢は、トルコと自由シリア軍が攻撃しているal bab の攻防はようやく最終局面に入ってきたようで、今後の焦点は落下に移っていきます。 ラッカに関しては、トルコ軍も参加の熱意?を持っているようで、ここではクルド問題が一つの焦点になるものと思います。 そのクルドと安全地帯の問題については、ロシアはトルコとは意見が異なると表明しており、もしかするとイラン問題ではロシアがトランプ政権とイランの間で仲を取り持とうといているように、こちらではプーチンとも仲の良いトランプが、ロシアトルコの間を取り持つという不思議な関係が生じる可能性もありそうです。 トランプの出現で、中東でもこれまでの常識は通用しなくなったのかもしれません また最後の軍刑務所の拷問、集団処刑の問題にも関係しますが、仮にシリアのIS拠点が一掃され、ISの脅威がなくなると
2016年7月以来、アサド政権軍による包囲攻撃が続いていたシリア北部アレッポ東部の反体制地域が陥落した。アレッポでは、2012年7月に自由シリア軍など反体制武装勢力と政権軍との戦闘が始まって以来、両勢力がせめぎあっていた。アサド政権はイランとロシアの支援を受けて攻勢を強めてきたが、アレッポ陥落はシリア内戦の転換点となりそうだ。 力がなくなったアサド政権 転換点からの方向には、アサド政権の全土制圧に向けた動きになるのか、逆に和平交渉が動く契機となるのか、という二つがある。 アサド政権としては一気に反体制勢力地域への攻勢を強めたいところだろうが、多分、そうはならないだろうと私は見ている。 なぜなら、アサド政権には独自の判断で戦況を左右する力はもうないからである。 政権軍を支えているのは、イランの革命防衛隊とその指令下にあるレバノンのシーア派組織ヒズボラの地上部隊、さらにイラクのシーア派民兵であ
クルド勢力と革命防衛隊の衝突(イラン) 2016年11月23日 18:55 イランクルド 確か、かなり前になりますが、イラクとの国境に近い地域で、イランの革命防衛隊とクルド勢力との衝突をお伝えしたことがあったかと思いますが、al arabiya net は、革命防衛隊報道官の言として、最近イランのクルド勢力との衝突(具体的な時期は不明)で、革命防衛隊特殊部隊の隊員50名が死亡したと語ったと報じています。 これはイランの新聞「sharq al iraniya」が報じたところを伝えたもので、それによるとqandil山地とjasusan 山地での、イランクルド人ペッシュメルガとの戦闘で、特殊部隊員50名が死亡したとのことです。 また同ネットは、この報道官の発言は、最近ロウハニ政府と革命防衛隊の対立が目立つとの噂との関連で行われたもので、報道官は革命防衛隊はその創設以来、イランの治安と革命を守る
米軍によるイランのクルド勢力の訓練 2016年09月19日 17:06 アメリカの外交政策クルド al arabiya net はAP通信を引用して、米軍がイランのクルデスタン自由党の戦士を、武器及び爆発物の扱い方について訓練していると報じています。 記事の要点は次の通りで、勿論理屈は彼らがISと戦うから、ということですが、彼らはそもそもイランからの独立を求めているグループとのことで、米国の政策は物事の一面しか見ない近視眼的なものか、もっと悪意にとれば、ISに藉口してイランに対する嫌がらせをしているとも取れないこともありません。 トランプ大統領候補の発言などを見ていると,大国米国の指導的な人物の国際的常識が驚くほど低い(確か、これはブッシュ大統領についても言われたかと思う)ことに驚きますが、おそらく訓練にあたっている特殊部隊の隊員は、現地の言葉を十分使いこなすほど、現地情勢に詳しい人が多い
イランのイラククルド自治区に対する砲撃 2016年06月27日 21:50 イランクルド イランのクルド勢力とイラン革命防衛隊等との衝突については、最近2度ほど書きましたが、ついに革命防衛隊がイラククルド自治区の、イラン・クルド民主党の拠点に対して砲撃するまでにエスカレートした模様です。 因みにこれは2011年以来、回覧がイラクにあるイランクルド勢力の根拠地を攻撃した最初のケースとのことです。 トルコでは、PKKと政府との停戦が敗れて、特に東北部のクルド地域で激しい戦闘が続き、トルコ軍がイラクの山岳地帯のPKK拠点に対して砲爆撃したり、越境攻撃する事案が増加していましたが、イランとクルドの関係がここにきて急速に悪化した背景は不明です(もっともアラビア語メディアが十分報道しなかっただけで、かなり前から緊張していた可能性もある)。 クルド勢力が、トルコの状況やシリアでのYPGの成功に刺激を受け
革命防衛隊とクルド勢力の衝突(イラン) 2016年06月26日 17:17 イランクルド イランにおける革命防衛隊とクルド勢力(イランクルド民主党民兵ペッシュメルガ)との間の衝突については、先日ごく簡単に報告しましたが、al arabira net は、両者の衝突はイラン北西部で2週間続いていて、双方の死傷者も増加しつつあると報じています。 クルド勢力によると、24日から25日の朝にかけて、マハバード地域とmariwan (アラビア文字からの訳)地方に展開しているクルド勢力を革命防衛隊が攻撃したことから、両者の間に激しい衝突が生じた由。 他方革命防衛隊も、マハラバードとsru abad 地域で、クルド勢力を攻撃し、多大の損害を与えたと発表した由。 クルド勢力によると革命防衛隊は、周辺地域に対して重砲等の砲撃を依然続けている由。 また、クルド勢力司令部によると、クルド勢力はイラン政府との間で
イラン革命防衛隊司令官の発言(クルドとバルーチの脅威) 2016年02月18日 21:05 イランクルド al arabiya net は、イラン革命防衛隊陸軍の司令官が、イラン国境の60%は過激派により脅かされているとして、シリアとイラクへの介入はイランの安全保障のためだと語ったと報じています。 これは、いついかなる時に話したものかは明記してありませんが、どうも最近シリアにおける革命防衛隊の死亡が増加しているので、それを正当化する必要があったものと思われます。 それにしても、クルドのPKKがイランの安全保障に対する脅威であるとしている点、複雑なあの辺の状況を反映して、シリア政策では大きく対立しても、対クルドではイランとトルコは同じ利害を有していることを示しているようで、興味深い発言なので、記事の要点次の通り。 革命防衛隊の陸軍司令官は、イランの国境の60%は過激派の武装勢力の脅威にさらさ
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