戦国の世を徳川家康が統一し、泰平の時代が訪れたことで文化の中心が町民に移行した江戸時代。初頭に京都で商業的な出版が行われはじめると、本を取り扱う「本屋」が誕生しました。瞬く間に市中に数多くの本屋が並び、続いて大阪に本屋が登場して上方で出版文化が育まれていきました。 寛永には江戸でも本屋が開業され、のちに美人画の名手喜多川歌麿や、役者絵の奇才東洲斎写楽などの錦絵を出版して一大版元となる蔦屋重三郎も吉原に書店を構えました。 庶民の間では読み書きを教える「寺子屋」が普及し、本を読むものが増えたことで需要も上がり、本を売り歩く行商や「貸本屋」「古本屋」によってさらに広がりを見せました。 三大都市を中心に出版物の流通が盛んに行われると、それまでは寺院版など仏教書が主流だった市場は、文字だけではない挿絵入りの「絵草紙」や「滑稽本」、現在の新聞に当たる「瓦版」などの民衆の読み物、文学書や医学書など専門的
紫陽花の歌は万葉集に二首あるが、平安時代にはほとんど見えなくなる。古今集から新古今集までの八代集に、紫陽花を詠んだ歌は一首も採られていない。梅雨の季節に欠かせない風物詩と思える紫陽花が、古典和歌ではこれほど不人気なのも、不思議な気がする。 万葉集に見えるのは、次の二首である。 言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟(もろと)らが練りのむらとにあざむかれけり 大伴家持 あぢさゐの八重咲くごとく弥(や)つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ 橘諸兄 家持の歌では、紫陽花が人を欺く不実なものの譬えに使われている。色が変わりやすく、しかも実を結ばない花なので、こう言うのだろう。いっぽう諸兄の歌では、八重咲きの紫陽花をめでたい花として取り上げている。当時の紫陽花は、花(実は萼であるが) の数が少ない日本原産のガクアジサイであろうと言われているが、貴族の庭園などには厚咲きのものも植えられていたらしい。それなりに古来賞
「桜の花の薄く紅をおびた色を表したもの(色の彩時記・朝日新聞社編)」と「赤い若葉の上方に白い花を咲かせた山桜を表したもの(かさねの色目・長崎盛輝著)」とする解説がありました。 この時代、桜といえば山桜のこと。この「桜」のかさねの色目は別説が最も多く、20説もあるそうです。また、桜に因(ちな)んだ色目は他に、11種類あり、桜が古くからわが国の愛好の花であったことがわかります。 桜の名のつく他の色目は 「樺桜」「紅桜」「白桜」「松桜」「花桜」「薄花桜」「桜萌黄」「薄桜萌黄」「桜重」「葉桜」「薄桜」 かさねの色目一覧 春のかさね P.2 P.4 参照
春の襲の色目 代表的な春の重ねの色目の一覧です。美しい色彩をお楽しみ下さい。 配色の参考にする場合はあわせて春の配色 のページも参考にしてください。
原色大辞典とは 原色大辞典は1997年にオープンしたネットの色見本サイトです。 9種類の色見本と色に関する各種サービスから構成されています。 色見本コンテンツは ブラウザで定義されているHTMLカラーネーム、 日本の伝統色、 世界の伝統色、 Webセーフカラー、 パステルカラー、 ビビッドカラー、 モノトーン、 地下鉄のシンボルカラー、 国鉄制定の塗装色 の9つから構成され、特に日本の伝統色は古来伝わる先人の色彩感覚を現代に伝えるものとして多くの方々から支持をいただいています。 文字列と背景色の組み合わせを試せる配色大辞典、 規則性のある組み合わせから色を選べる配色パターン。 色見本の他にも、今日のラッキーカラー、 コトバから色を解析して調合する成分解析、 ストライプを生成するストライプメーカー、 グラデーションを生成するグラデーションメーカー、 あなたの好きな色と色を調合する色調合、 サ
HOME>装束の知識と着方>色彩と色目>かさね色目 有職の「かさね色目」 かさね色目には3種類の意味があります。 1.表裏のかさね色目(合わせ色目)(重色目) 2.重ね着のかさね色目(襲色目) 3.織物のかさね色目(織り色目) 経糸緯糸に違う色を使うことで複雑な色合いを作り出します。 装束の色彩は、これら3種の色目の混合体なのです。 数多くの新案かさね色目が生まれていますので、ここでは江戸時代以前の文献に登場する組み合わせのみご紹介しましょう。また、時代、公家の家流で同じ色目でも名称が変わったり、逆に名称は同じでも色目が異なったりします(最下欄に例示)。ここで紹介した名称と組み合わせは、ほんの一例であるとご承知おき下さい。 1.合わせ色目 春夏秋冬のシーズン色と雑(四季通用)があります。 平安の絹地質を考慮して全色について透過率3%としています。 特に白、夏の全色については「生絹(すずし)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く