人名用漢字の新字旧字「曽」と「曾」にも書いたが、新字の「曽」が常用平易とみなされて、人名用漢字に追加されたのは、常用漢字の「僧」「層」「増」「憎」「贈」に共通の部分字体だったことが一因だ。だとすると、(新)常用漢字にも「曽」を追加すべきだろう。あえて「曾」を追加する理由はどこにもない。 ただし、「曽」と「曾」をデザイン差だとする最高裁判所の見解に対しては、漢字小委員会としても、今回、ちゃんと異議を唱えておくべきだろう。その点でも、(新)常用漢字に「曽(曾)」という形で追加をおこなうのは、意味のあることだと思う。