新字の「姫」は、常用漢字なので子供の名づけに使えます。旧字の「姬」は子供の名づけに使えません。「姫」は出生届に書いてOKですが、「姬」はダメ。実は、「姫」の音はシン、「姬」の音はキなので、「姫」と「姬」は全く異なる別の字なのですが、ここではあえて、「姫」を新字、「姬」を旧字と呼ぶことにしましょう。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表を答申しました。この当用漢字表は、手書きのガリ版刷りでしたが、旧字の「姬」が収録されていました。これにしたがい、11月16日に内閣告示された当用漢字表にも、旧字の「姬」が収録されていました。ところが、昭和22年9月29日に国語審議会が答申した当用漢字音訓表は、やはり手書きのガリ版刷りでしたが、新字の「姫」に「ひめ」という訓がつけられていました。国語審議会は、すでに新字の「姫」を念頭においていたのです。ただ、新字の「姫」と旧字の「姬」は、音がシンとキで異