元エルピーダメモリ社長の坂本幸雄氏は日本で数少ない半導体のプロ経営者だ。エルピーダの破綻から10年、ここ数年関わっていた中国・紫光集団を2021年末に離れ、フリーになった。そこで、中国半導体産業の現況、日本の半導体産業再興に向けた課題などについて、もろもろ語ってもらった。 今回はDRAMを失った後に、国内の半導体産業が徐々に弱っていった理由について坂本氏の考えを聞いた。(聞き手は小柳建彦) せっかく優れた製品開発能力がありながら、結局日本の半導体メーカーはロジック半導体の分野で、米インテル(Intel)のマイクロプロセッサーのような、これぞという世界級の製品を確立できませんでした。その後メモリー市況の波に打ちのめされて電機大手はすべてDRAMから撤退し、各社ともその後の半導体事業戦略が迷走しましたね。
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