二元論ではないエネルギー政策 東日本大震災に伴う福島原発の事故、計画停電などを契機に、エネルギー政策が国民的話題になってきている。ここ最近、温暖化対策に引きずられる形でCO2対策しか頭になかったエネルギー政策が、「安定供給」の側面から見直されようとしているのは、よいことだ。 しかし、ほとんどのメディアが、脱原発か原発推進かという二元論の短絡的な構図を描こうとする。そうして、自然エネルギー推進を主張する人は脱原発、逆に自然エネルギーが進まないという見方をする人を原発推進の立場であるに違いないという先入観で、論者に対してレッテルを貼り付けるわけだ。私も、後者のレッテルが貼られているわけだが、事はそう単純ではない。 図をご覧いただきたい。原発に対する態度と自然エネルギーに対する見方とは、同じ軸上にあるわけではなく、別の軸の組み合わせだと考えるほうが正確だ。世の論者は、図のように少なくとも4つの象
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