'19年4月16日(火) 武士の子どもを育てるため には、一定の方式がある。 まず、幼少のころから 勇気を鼓舞し、仮りにも、 おどしたり、だましたり することなどあっては ならない。たとえ ちいさいころであっても、 臆病心のあるのは一生の 疵となるものである。 親たちの不注意から、 雷の音におじけづかせたり、 暗がりなどへは行かせない ようにし、泣きやまそうと 思って、こわがることを 話して聞かせたりするのは いけないことだ。 また、ちいさいころつよく 叱ったりすると、内気な 人間になってしまう。 とにかく、わるいくせが 身にそまらないように しなければならない。 いったんそまってしまうと、 意見をしても直りはしない。 ものの言い方や礼儀など、 しだいに気づくようにさせ、 欲を知らぬようにさせたい。 そのほかは育て方で、 だいたいふつうの 生まれつきの者なら、 なんとかいくだろう。 また、