「カールツァイスレンズ」を標ぼうしているのだから、レンズコーティングぐらいは高度な処理をしているのだろうが、CCDがその頃評価の低かった1/2.7インチ極小画素CCDである。こんな割高なもの誰が買うんだとくさしながらも、「ん、もうー、しょうがないな」と最終的には手に入れてしまう。これがマニアの心意気というものだ。 フィルムカメラ時代は独特の高級感と存在感を誇示していたCONTAXも、デジタルへの急激な転換にはかなり苦戦を強いられていたようだ。デジタル関連の経験がある技術者がいるいないで、出来上がってくる製品は雲泥の差が出てしまう。それでもCONTAXは、一眼レフでは、レンズマウントを一新してまで35ミリフルサイズのデジタル一眼を投入するほど力を入れていた。 しかし結局、京セラは僕がSL300R T*を買った翌年、2005年にカメラ事業から撤退する。それほど事態は深刻だったということだ。この
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