発達障害の生きづらさが涙を誘う プロチチ(逢坂みえこ)文:松尾慈子 バックナンバー筆者プロフィール プロチチ[作]逢坂みえこ(講談社)〈『プロチチ』を商品検索〉 (c)逢坂みえこ/講談社 (c)逢坂みえこ/講談社 ひと言で言うと、育児漫画だ。しかし、育てるのはママではなく、専業パパであるという点が多くの育児漫画と違う。アスペルガー症候群の男性・直が、編集者として働く妻・花歩(かほ)との間にできた一人息子・太郎を、専業パパとして育てる日々を描いている。 アスペルガー症候群とは、ざっくりいえば、知的には問題がないのに、社会性が学べない、臨機応変に対応できないなどの症状を抱えることである。対人関係が築けないなどの困難があり、本人は生きづらい。直も生きづらさを抱える一人で、一流大を卒業して就職するが、お世辞を言えない、人の顔を覚えることができない、などが問題となって職場を追われてきた。 基本、育児