二〇年以上も前のお話。あるフーゾク関係の知りあいに声をかけられた。 ねえねえ××くん、と彼は言い、バイトしない? と続けた。伏せ字には私の名前が入るのだけど、そのころの私は無名もいいところで、時代はバブルだってのに月の生活費を稼ぎ出すのがやっとの落ちこぼれ記者だった。 なものだから、知りあいは私に同情して、彼が関わっているソープランドのお仕事でも紹介しようとしているのかしら。 なんて思ったのだけど、違っていた。今度、新しく吉原のお店で働く女性がいる。年齢は二〇代後半。私と同い年で、なかなかに可愛い子らしい。芸能人で言えば××××に似てるかな、などと知りあいは言う。写真を見せてもらったら本当に似ていた。 ついては、その子の身体検査をしてもらえないだろうか、というのがバイトの内容だった。 「何ですか、身体検査って? スリーサイズでも測るんですか?」 「身体検査は身体検査でしょ。要するに試して
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