マルコが好きなもの。人形のアシュリー、ディスコダンス、ハッピーエンド、そしてチョコレートドーナツ——。 1979年カリフォルニア。シンガーを夢見ながらもショーダンサーで日銭を稼ぐルディ。ゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。母親の愛情を受けずに育ったダウン症の少年・マルコ。世界の片隅で出会った3人は、いつしか幸せな家庭を築き始めていました。 全米の映画祭で観客賞を総なめにした『チョコレートドーナツ』は、母親に見捨てられたダウン症の少年と暮らすために闘ったゲイのカップルを描いた物語。70年代にニューヨーク・ブルックリンであった実話をもとに生まれた作品で、モデルとなった男性と同じアパートに住んでいたジョージ・アーサー・ブルームによってシナリオ化されました。 ルディとポールにより、まるで本当の子どものように大切に育てられたマルコ。でも、時は今よりもずっと同性愛者への差別や偏見が激しかった7