欧米でスター記者が伝統的メディアから独立し、新しいデジタルメディアを興す動きが活発化している。その背景に何があるのか。メディアの未来を議論するマサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボと朝日新聞の共催シンポジウムを前に、「5年後、メディアは稼げるか?」の著者で東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦さん(34)に聞いた。――欧米で続くスター記者の新興メディアへの転身。何が起こっているのでしょう。 「優秀な記者にとって、組織にいるメリットとデメリットを比べ、後者が勝ってきているからではないでしょうか。メリットは取材がしやすく、社内のリソースが使えることです。デメリットは組織の壁。自分がやりたいようにやれない。そしてCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)などテクノロジー面のレベルが低い。デジタルメディアが発展する中で、旧来の組織に所属するデメリットの方が大きく感じられるようになってきた。だ