全体討議 道広:では、4人のパネリストの方に、さきほどのお話しに関わりながら、ご質問などしていただきたいと思います。前田さんからお願い致します。 前田:私の、機械的な改行による行揃えという伝統を基本にすえるという主張と対照的に、意味による改行を問い直すということを、村上さんと本間さんがおっしゃったので、お二人に質問です。 職業的に組版に携わってきた私としては、良い組版かどうかというのは、改行位置の発見に尽きます。しかし、読者にとってどうか。人が書物を発明して、なぜこんなに書物というのが生命力があるかと考えてみるとわかるのですが、夢中になって読む時には、どこで改行するかというのは、意識しないと思うんですね。そこに機械的な折り返し改行のすごい力があると思うんです。同じ長さで、折り畳まれて。だから意識させないのが、良い組版だと思うのですが、どう思われますか? 村上:はい、まったくその通りだと思い