この本は貴重だ。 日本とアメリカの脳死観を比較してくれている。 それも、目からウロコの既成概念壊しこみで。 日本での臓器移植を推進する言説では「西洋では受け入れられているのに」とふる場合が少なくないような気がする。 が。 この本はきっぱり示している。 西洋では「脳死についての議論が全然尽くされぬままに、あっさりスルーされている」という事実。 議論を尽くして、受け入れているわけではないのだ。 議論しているのか、とあらためて突きつけると、彼らはびびる。 「脳死と臓器移植の医療人類学」p.138 [脳死移植の日本の特番を]アメリカの小さな集まりで見せたことがある。そのビデオを見て、ひどいショックを受けた人々が何人もいた。彼らは、移植される臓器がどこから来るのか、それまで一度も考えたことがなかったのである。 はあ??? とっさに想起するのが、アメリカにおける遺伝子組み換え作物の流通